NPO法人キャンサーネットジャパン > Articles by: プロマネ用

かながわ血液がんフォーラム

かながわ血液がんフォーラム

一人ひとりが当事者となり血液がんを考える。
「かながわ血液がんフォーラム2019」をレポート

2019年11月9日、横浜情報文化センター・情文ホールにて、神奈川県と認定NPO法人キャンサーネットジャパン、一般社団法人グループ・ネクサス・ジャパン、はまっこ(多発性骨髄腫患者・家族の交流会)の共催で「かながわ血液がんフォーラム2019」を開催しました。血液がんの患者さん、ご家族に限らず広く一般の人が血液がんを知り、学び、集う場作りを目指し、多数の医療関係者の協力のもと科学的根拠に基づく最新の医療情報を発信。会場には献血協力者、ドナー登録者なども集い、フォーラム参加者は433名、全セッション参加者の延べ人数は合計で739名を数えました。盛況でした多彩なセッションをピックアップしてレポートします。

取材・執筆/北林あい 撮影:AKANE

オープニングトークで言及、造血幹細胞移植の現状と課題

フォーラムの幕開けを飾ったのは、金森平和先生(神奈川県立がんセンター副院長・血液内科部長)によるオープニングトーク。「骨髄移植(造血幹細胞移植)とは」「国内の移植状況」「骨髄・末梢血幹細胞提供の実際」「バンクドナーのコーディネートの現状」「ドナー登録と骨髄提供に関する課題」について語っていただきました。

血液がんの移植治療に不可欠なのがドナーの存在であり、2019年までに、骨髄バンクからの移植数は23,000件以上、臍帯血バンクからの移植数は17,000件以上となっています。金森先生の話で特に印象に残ったのは、コーディネートの現状について。「約22万件をコーディネートしても移植に到達するのは11,000人。移植率は4.9%に留まっています。HLA型の適合通知を受け取ったドナー側の都合でコーディネートが終了になるケースは多く、その場合、一から新たにドナーを探す必要があります。それが移植到達までに時間を要する一因であり、日本の移植医療の現状」と語りました。日本骨髄バンクが行ったドナーコーディネート終了理由の調査(2015年度実績)では、ドナー側の理由による終了が93%、そのうち健康理由以外が66%。具体的には、育児や仕事で都合がつかない場合が43%、連絡が取れない場合が35%。多くのドナー候補者と連絡を取れずコーディネートを諦めざるを得ない状況です。骨髄提供を断ったドナー側からは、強い不安感がある、職場・家族の理解が不十分、年休が取りにくい、休暇制度がないという声が届き、心理面と職場環境面のサポートが急がれます。

骨髄ドナー登録者数の推移を見ると、20代、30代での登録が多く40代が最多。40代の登録者は15年後に提供可能年齢の「55歳以下」を超えるため、「安定して骨髄提供を受けられる社会にするには、若い年代のドナー登録が必須。そして、バンクドナーを支える家族、職場、環境も含めた第二のドナーの理解・協力・支えが不可欠」と訴えました。

「移植医療」の現状を知り、将来を考えるパネルディスカッション

オープニングのパネルディスカッションには、金森平和先生、鬼塚真仁先生(東海大学医学部付属病院 血液腫瘍内科 准教授)、秋山典子さん(横浜市立大学附属病院 中央無菌室 HCTC)、浅野史郎さん(神奈川大学 特別招聘教授)、間島悠介さん(神奈川県骨髄移植を考える会)の5名が参加。それぞれの立場で移植医療に携わる5名が今感じている「課題」を投げかけ、司会の町永俊雄さんと共に議論を深めました。

  • 鬼塚真仁先生「ドラッグラグと検査を阻む保険制度の問題」

鬼塚先生が言及したのは、現場の医師が抱える課題ついて。一つは、海外で投与可能な薬剤が日本で使用できないドラッグラグの問題。もう一つは、同種移植において治療効果の判定を行う重要な検査を保険診療で行えない現状。後者は、実際は行っているものの保険請求できず、患者さんや研究室が高額な検査費用を負担しています。治療の選択に関わる遺伝子変異の測定や治療効果をはかる検査が、保険診療の壁によって行えていないと言います。

前者の課題に対し秋山さんは、「エビデンスが未確立なものを試さないと医療は進歩しません。しかし治験者に負担がかかるのも事実。治験コーディネーターを含め様々な人が参加して医療を進歩させる社会作りが必要」とコメント。鬼塚先生は、「新薬を国内に入れるには製薬会社が治験を行う努力が必要。一方、国内で使用可能な薬剤を適用外の症例に使えるようにするには、医師主導で臨床試験を行い安全性と効果を証明する必要がある」と語りました。

後者の保険制度に関わる課題について金森先生は、「日本でも未承認薬に対する特殊な検査を保険で認め、保険対象外の薬剤を提供する流れになりつつあるが、造血幹細胞移植の分野は遅れている」と説明しました。

  • 秋山典子さん「意思決定支援 ~誰もが治療の当事者になる~」

秋山さんは移植コーディネーターの立場から、移植医療で難しくもあり大切な「意思決定支援」をクローズアップ。「患者さん、ドナー、医療者を含めて移植医療の当事者と捉え、私の役割は治療を意思決定支援という形でサポートすることです。患者さんとそのご家族にどのように説明し、理解を求め、同意を得るかという部分に関わってきました」とコメント。血縁ドナーの場合は選択を迫られる家族に対し、「どのように負担感、責任感をクリアしていくかが課題。ドナー側の葛藤には個別性があり、年齢、ライフサイクル、社会的背景、経済状況など、どんな条件下で治療を選択するかで不安の大きさは異なります。また兄弟間の移植の場合、子どもより親の意思がポイントを占めるため、ドナーになる子どもの状況と様子によっては権利を擁護し、移植ソース変更の相談や提案もコーディネーターの役割と考えています」

金森先生は、「移植はチーム医療でなければ成り立ちません。たえずカンファレンスを行い、意思決定も患者さん一人ではなく周りがサポートとサジェスチョンをしながら行うのがベスト」とコメント。

血縁ドナーに対する医師の関わり方について鬼塚先生は、「医師は病気を治したいので『移植しますよね』というニュアンスでドナーと接してしまいがち。そうならないように、我々は患者さんとドナーの主治医をわけて、ドナーにはリスクまで医学的に説明しています。また、医師が考えるのはどうすれば治るのか、どんな合併症が起こるかという治療に関わることで、家族の不安には応えられないことが多い。ですから、秋山さんのような移植コーディネーターが医師に足りない言葉を埋めて、ご家族、患者さん、医療スタッフの信頼関係を固めてもらっています。移植コーディネーターは移植医療になくてはならない存在です」

血縁者のサポートが望めない単身者への支援に話題が及ぶと、鬼塚先生は「血縁ドナーの選択ができない場合は、骨髄バンクや臍帯血バンクという選択肢があります。ただし移植後、GVHDなどを一人で乗り越えるのは困難。移植後の生活リスクを説明したうえでどのように支援していくかは課題と言えます」

  • 浅野史郎さん「移植を待つ患者の心配事」

2009年、浅野さんは成人T細胞白血病(ATL)を発症し、奥様のサポートもあり骨髄移植を行いました。

「ドナーを待つ患者の心配事は、ドナーが見つかるのか、見つかったとしても提供に至るのかという点です。白血病の中でも治りにくいATLを告知され、医師に骨髄移植しか治る道はないと言われたときは足がガクガクと震えました。移植は60歳までという知識が自分の中にあり、当時の私は61歳。一時は移植を諦めかけましたが、医師から移植可能と言われたときは安心しましたね。移植は無事に終わり当初の心配事は杞憂に終わりましたが、移植後はGVHDで肺炎を発症し大変でした」

移植を行うにあたり合併症や治療の副作用の説明も大切です。鬼塚先生は、「移植後の合併症で約3割の患者さんが亡くなるのが現実。合併症による死亡リスクやGVHDを発症したときの治療を事前に伝え、安心して移植に臨める環境を作っています」とコメント。秋山さんは、「移植についての説明時に移植後の合併症について医師からも説明がありますが、移植コーディネーターからも伝えています。今は治療に関わる『チーム』として、LTFUも含め移植後の生活をどのようにサポートするべきか考えていきたい」と述べました。

  • 間島悠介さん「ドナー登録者を増やす有効な手段を模索中」

2度の骨髄提供を行った間島さんが実感しているのは、「骨髄移植の正しい知識が浸透しておらず、世間の関心が薄い」ということ。「なぜそう思うかというと、骨髄液の採取のため入院する旨を職場の同僚に伝えると、『すごいね、偉いね、痛いんでしょ』という答えが8割。すごいね、偉いねという言葉は、自分と切り離した他人事としての認識の現れだと感じます。自分事として捉えドナー登録する人を増やすには、子どもの頃からの教育が必要では。小学校の道徳の授業で議論してほしいテーマです」

ドナー登録をしても提供に至らないケースについて金森先生の考えは、「例えば20歳でドナー登録した独身者は10年、20年後、結婚して子どもを授かり、職場では重要なポジションに就き、環境の変化からHLA型が適合しても提供を断るケースはあります。大事なのは登録時のモチベーションを保つことであり、骨髄提供を断っても別の方法で骨髄バンクに花を添えることは可能だと思います」。鬼塚先生は、「ドナーになった理由を聞くと、近しい方が血液がんを発症したケースが多いです。しかし、そうした特別なきっかけがないとドナーになろうと思えないようでは登録までのハードルが高い。骨髄バンクやボランティア団体に頑張ってもらい、提供しやすい雰囲気を作ってほしいです。」

最終ディスカッション「血液がんの治療が目指す未来」

  • 鬼塚真仁先生

「かつて我々の目標は、とにかく病気を治すことでした。今は治るのは当たり前で発症前のQOLに戻すことが目標です。患者さんにとってはQOLの回復が大事であり、それは医師だけでは叶わず、リハビリや栄養などに関わる様々なスタッフがいて実現でき、それをまとめていただいているのが移植コーディネーターです。今はチーム医療で移植患者さんを捉える流れになっています。退院後の生活支援や職場復帰がゴールであり、その点は10年前、20年前の移植医療とは大きく異なっています」

  • 秋山典子さん

「血液がんに限らずがん患者さんは他者に病気を知らせることをためらうことも多く、がん患者さんを受け入れて支援していく社会的な環境が、日本は未熟だと感じています。ドナーになることについても社会が普通の事として支援し、企業はドナー休暇を認め、自治体は保証を考慮していく必要があり、患者さんの社会復帰を後押しするために支援の輪を広げていく意識が大事だと感じています」

  • 金森平和先生

「移植医療を受ける患者さんを治し社会復帰させるには、『ドナー』という支援者と患者さんとドナーを支える『社会』という両輪の支援がないと難しい。具体的な枠組み作りが必要だと思いました」

  • 間島悠介さん

「今日、改めてこれから自分に何ができるのか考える機会になりました。私の原点であるドナー登録説明員という役割を通してしっかり情報を伝えていきたいと思います」

  • 浅野史郎さん

「白血病の特異性は、医療者以外に『ドナー』が関わるという点です。そうやって命が救われるシステムの中で自分が病気を克服したと実感できたのはいい経験でした。社会が支え合うことでより良い結果を生み出せるという、わかりやすい例が血液がん。このしくみが日本の社会を変えるのではないかと思っています」

悩みをシェアしつながりを生む「AYA世代の集い」

15歳から39歳の血液がん患者さん同士が語り合う「AYA世代の集い」。AYA世代で血液がんを経験した、増田真彦さん、梅津薫さん、橋本正一さん(造血幹細胞移植患者会「心愛の会」「勇希の会」)がファシリテーターを担当。参加者は3名が悪性リンパ腫の経験者、そして「同世代のがん経験者とつながりたい」と血液がん以外の患者さんも参加しました。

最初の話題は、AYA世代が直面する妊孕性について。「2児の母ですが、診断時に3人目を希望するか医師に聞かれ、『希望していない』と伝え卵子凍結はしていません」「卵子の凍結保存を選択しました。県の制度を利用し、妊孕性温存治療に必要な費用の一部助成を受けましたが、それでも大きな出費でした。現在、抗がん剤治療により閉経中。凍結保存はしたけれど果たして妊娠できるか不安です」と女性参加者。ファシリテーターの橋本さんは男性の立場から、「私は36歳の時、精子の凍結保存を選択しました。現在52歳で独身。でも、保存しておけば子どもを授かる可能性はゼロではなく、自分の選択を前向きに捉えたい」とコメント。精子・卵子の凍結保存をしても必ず妊娠できるわけではなく、まずは病気を治すことが先決という現実もあり、様々な葛藤が伝わってきました。

「今後の不安」に話が及ぶと、真っ先に語られたのは「お金と仕事」。「正社員なので傷病手当金をもらえましたが、もし仕事を辞めたら再発の不安がある人の再就職は難しそう」「私は半年ごとに契約が更新される雇用形態なのでそのたびに不安」といった声が聞かれました。雇用形態など状況は様々ですが、お金と仕事の問題は治療の継続に直結するため常に不安を抱えているようです。

しかし、不安を抱えながらも日々を生きる気持ちは前向きです。「できること、食べられるものを楽しみたい。今はフラダンスが楽しい。趣味がはり合いになっています」「少し先の待ち遠しいことを探すように意識しています」と語り、できないことよりできることに目を向け、「今日」を自分らしく生きようとする姿勢が印象的でした。

今回、みなさんが共通して感じていたのが、「同世代の血液がん患者と出会う機会が少ない」という現状。AYA世代が直面する結婚、出産、仕事などの悩みをシェアし、様々な価値観に触れ、有効な情報を得る場作りの必要性を強く感じました。

ドナーと移植経験者が本音を交えた「血縁ドナーの集い」

「血縁ドナー」とは、兄弟・姉妹・親子など患者さんと血縁関係にあるドナーの事。初開催となるこの集いは、自身も弟さんに骨髄提供をしたCNJ理事の古賀真美氏の発案で実現。司会は大野明美さん(神奈川工科大学看護学部看護学科 講師)、アドバイザーは秋山典子さん(横浜市立大学附属病院 中央無菌室 HCTC)が担当しました。

今回の「血縁ドナーの集い」には、「ドナーの気持ちが知りたい」という思いで、骨髄バンクを通して移植した血液がん患者さんも参加しました。「ご家族と白血球の型であるHLA型が適合したときの気持ちは?」と、移植経験のある患者さんに問いかけた大野さん。血縁者から骨髄提供を受けた参加者は「移植にはリスクがあるので、移植をしていいのか迷った時期がありました」。「私は子供とHLA型がフルマッチで、親子間では珍しいケースだと主治医も驚いていました。子供は『親孝行できる』と喜んでいましたが、周りから『お母さんを助けるために生まれてきたんだね』と言われるたび、有り難いと感じる一方で不憫だとも思った」とコメント。

家族の関係性は様々で、家族が発病しても「私はドナーになりたくない」というケースはあり、第三者の「家族なのだから提供するのが当たり前」という勝手な常識は、患者さんと家族を追い詰めるという意見も聞かれました。秋山さんは移植コーディネーターの立場から、「HLA型が一致してドナーになることに不安を覚えるご家族もいます。なので『よかったですね』ではなく、血縁者間で一致した確率に対して『すごいですね』と言葉を掛けるようにしています。当事者が一番望ましい状況に導けるよう尽力したい」とコメントしました。

また移植経験者は、「『ありがとう』が言いやすいのは移植を受ける側。ドナーは自制心が働き感情に蓋をしがちなのでは」と発言。ドナーの胸中を察するコメントが聞かれたのは、ドナーと患者さんが共に語り合えた成果ではないでしょうか。

秋山さんは、「家族の形や思いは様々です。移植後、元の家族関係を取戻し、それぞれの家族に合った関係性が築けるようドナーが本音を言える場作りをしていきたい」と締めくくりました。

闘病の支えになる情報と勇気を発信する「多発性骨髄腫体験談」

長い治療の様子とその経過、心の支えにしたことなどを語ってくれたのは、2名の多発性骨髄腫サバイバー。司会は建部美由紀さん(多発性骨髄腫患者・家族の交流会「はまっこ」)が担当。オブザーバーに仲里朝周先生(横浜市立市民病院血液内科 診療科長)を迎え、質疑応答では高橋寛行先生(神奈川県立がんセンター血液・腫瘍内科 医長)にも回答をいただきました。

  • 「治療と共に仕事や趣味を楽しんで生きる」 吉田富雄さん

「54歳の時、他の病気で血液検査をしたところ多発性骨髄腫と診断されました。検査のたびにIgG値が上昇し、VAD療法後に自家移植へ。その後、帯状疱疹に悩みましたが治療経過は順調で移植から1年後、NY旅行を楽しみました。しかし4年後に再び数値が上昇し、サリドマイドを使用したところ心臓の数値が上がり、IgG値は下がらず休薬。二度目の自家移植となり入院しましたがバセドー病を発症し移植は延期に。症状が回復したところで自家移植を行い、地固め療法、維持療法へ。ステロイドの副作用で躁鬱、声のかすれなどがありますが、手足のしびれはなく趣味のステンドグラス制作などを楽しんでいます」

「治療中も旅行など好きなことに没頭したのでQOLが上がり、入退院を繰り返しましたが周囲のサポートのおかげで塾経営の仕事を続けられました。そして、多発性骨髄腫患者・家族の交流会「はまっこ」と出会い、同じ病の人と話すことで勇気をもらいました。仕事と趣味に前向きに取り組める今が幸せです。この病気は数値に左右されますが、悲観的にならずしぶとく生きることが大事。副作用の理解を深めるために情報を集めることも大事です。私のようにのんびりした長距離ランナーがいることを知ってもらい、治療しながら粘り強く生きてほしいです。楽しいこともたくさんあります。体の声を聞いて明るく生き、自分らしく様々なことにチャレンジしたいもの。少しでも長くこの病気とつき合っていきたいです。みなさん、一緒にがんばりましょう!」

  • 「今日も『良いこと探し』」 佐藤孝子さん

「人間ドックで異常が見つかり、44歳で多発性骨髄腫と診断されました。確定診断を受けた日に見た満開の桜が違う世界の出来事に思えたことを覚えています。治療はVAD療法を経て2009年に自家移植。2011年には再燃による腰椎圧迫骨折で緊急入院、車椅子生活になり『これからどうなるだろう』と不安になりました。2012年に二度目の自家移植を行い、地固め療法を経て現在は維持療法を継続中です。VAD療法の副作用による末梢神経障害で趣味のフルート演奏に支障が出たため、その後の治療の際には主治医に早めに相談するように心掛け、治療の合間にはウィーン演奏旅行なども楽しんでいます」

「確定診断当初、ネットで情報収集をすると『余命○年』『予後不良』とネガティブな言葉が目に付き、本を開けば『○○でがんが治る』といった言葉が躍り、なかなか必要な情報にたどりつけませんでした。当時はまだ今の形ではありませんでしたが、おすすめしたいのは国立がんセンター・がん情報サービスのサイト及び、そこからダウンロードでき、がん全般の知識が載っている『がんになったら手に取るガイド』などです。また、治療が始まると一人では対応できなくなることが増え、今まで以上にコミュニケーションが大切になります。治療を選択するにあたり、主治医には自分が大事にしたいことを伝え、職場では病気の事を『誰にどこまで伝えるか』に悩みました。上司及び同じチームの同僚には、できること、できないこと、配慮してほしいことを詳しく伝え、その他のスタッフには『ウィッグがずれていたら教えて(笑)』などと深刻にならずユーモアを交えた伝え方を意識しました」

「他には、がん情報サービスのサイトからダウンロードできる『わたしの療養手帳』などを活用し、『どんな副作用が、どの程度あり、どのくらいで回復したか』など治療の記録をつけ、主治医に伝えると共に、次の治療時の参考にしました。職場では業務の内容を共有できるよう心掛け、家族や同僚に言いづらいことは、患者仲間や職場のカウンセラーに相談し力をいただきました。今も心掛けているのは、やりたいことや大事なことを最優先に。そしてたくさんの人に感謝し、できることをありがたく楽しみたいと思っています」

体験談の後は、参加者から募った質問に仲里先生と高橋先生が丁寧に回答。「現在の治療を続けるべきか」「多発性骨髄腫の治療に力を入れている病院を知りたい」「次世代の治療とは」「同種移植での臍帯血移植の有効性とリスク」など、治療に関わる具体的な質問が目立ちました。

闘病に有効な情報とつながりを提供する「展示ブース」も盛況

展示スペースには企業・団体などのブースが並びました。企業ブースは、医療用無菌装置メーカーの株式会社コスモアンドトレードサービス、ヘルスケア分野の市場調査などを行う株式会社インテージヘルスケアが出展。他に、神奈川県赤十字血液センターは献血啓発に力を入れ、献血者へ届ける輸血経験者の感謝のメッセージを募集。当フォーラムを共催する神奈川県は、がん検診の啓発、骨髄ドナー支援事業、妊孕性温存治療費の助成制度など、県の取り組みをPR。また、血液がんの患者会が複数出展し、患者さんとそのご家族の情報収集や患者同士の交流をサポートしました。

閉会式では血液がんの「総合的支援」の必要性を再確認

すべてのプログラムを締めくくるクロージングでは、司会の町永俊雄さんがこのフォーラムの運営について言及しました。「造血幹細胞移植を総合的に支援するプロジェクトStart to Beは、血液がん患者とその家族、ドナー、サポーター、ボランティア、医療者を含め移植医療に関わる『当事者』を巻き込みながら進めていく新しい取り組みです。これまでは医療者は医療者側から、ドナーはドナー側から発信し関係が分断されていました。その状況を統合し総合的な支援を実現したのは大きな変化と言えます」とコメントしました。

続いて3名が登壇。濱卓至さん(神奈川県健康医療局 保健医療部 がん・疾病対策課 課長)は、血液がんに関する県の取り組みを紹介。「昨年度、神奈川県はCNJと協働して、骨髄バンクのドナー登録者と血液疾患がん患者およびその家族を支援するWEBサイトStart to Beを開設しました。他に神奈川県骨髄移植を考える会と共に大学などで骨髄ドナー登録会を実施、骨髄ドナー登録説明員の養成講座の開催、骨髄バンク普及啓発事業などの取り組みにより県内のドナー登録者は増加傾向にあります。県における新しい事業としと、ドナー登録をしても提供に至らないケースを踏まえ、ドナーの心理的、経済的負担を軽減するため、ドナーとドナーご本人が勤務する事業所に助成を行う骨髄ドナー支援事業を開始。最終的には県内の全市町村での実施を目指しています。さらに、平成30年の8月より妊孕性温存治療費の補助に取り組んでいます」

次に、天野慎介さん(一般社団法人グループ・ネクサス・ジャパン理事長)が、骨髄バンクの維持・発展について熱弁。「1991年、たくさんの血液がん患者の声により骨髄バンク事業を主体とする骨髄移植推進財団が設立。当時、厚生労働省に要望に行った際、『まったく健康な人の体を傷つける治療を国民が許すのか』と言われました。骨髄バンクの維持・発展を考えるにあたり、その存在が当たり前ではなく、困難な道のうえに成り立っていることを想起する必要がある」と述べました。

最後は金森平和先生。「Start to BeのWEBサイトは血液がん患者、ドナー、患者家族にとって有用な情報が総合的に掲載されています。また、本日のように複数の患者会が総合的に運営に携わるフォーラムは初体験。骨髄移植の課題が患者、ドナー、家族だけの議論で終わらないよう総合的に支える社会を作っていくべき」と結びました。

司会の町永さんは、「一人ひとりができることを持ち寄り、自分事として一歩を進めてほしい」とコメントし盛大な拍手と共に閉会しました。

今回の「かながわ血液がんフォーラム2019」は共催団体のスタッフ13名、ボランティアスタッフ25名の総勢38名の協力のもと無事に開催することができました。また、ご登壇いただいた先生方は28名でした。多くの方々の支えにより開催できましたことをこの場を借りてお礼申し上げます。

神奈川県立こども医療センター もっと知ってほしい小児がんのこと(子ども向けイベント)

夏休み中の2019年8月10日(土)、神奈川県立こども医療センターと認定NPO法人キャンサーネットジャパンの共催により、小児がんをテーマにした子ども向け無料講座を開催しました。小児がんは、14歳までにかかるがんの総称です。小児がんで最も多い病気は白血病で全体の40%ほどを占めますが、中でも急性リンパ性白血病が最も多い病気です。今回集まった小学4年生から高校生まで43名の子どもたちと共に、同世代が闘っている小児がんを学び、自分たちにできることを考える機会を創出。先生方の惜しみない協力により実現した、夏休みの自由研究にもぴったりな多彩なプログラムの内容をレポートします。

取材・執筆/北林あい 撮影/小北一兵

小児がんを知ってもらうため基礎知識をレクチャー

最初のプログラムは、神奈川県立こども医療センター副院長で血液・腫瘍科部長の後藤裕明先生による、『“小児がん”ってどんな病気?』と題した授業。小児がんとは何か、なぜがんはできるのか、どんな治療法があるかなどをわかりやすくレクチャーしていただきました。冒頭で先生が、「子どもにもがんができると知っている人?」と質問すると、約半数が「知っている」と手を挙げていました。

「子どもにとってがんは、すごく希な病気です。日本全国で一年に2,000人くらい、神奈川県で100人くらいの子どもががんと診断されます。がんにはちゃんと治療法があり、小児がんは大人のがんより治りやすいのが特徴です。でも、すべてのがんが治るわけではなく、中には命を落とす人が大人にも、子どもにもいます」と後藤先生。小児がんの治療は手術、放射線療法、化学療法が有効で、特に重要な抗がん剤を用いた化学療法は副作用が治療後も続くことがあります。また、従来の放射線療法より強力で副作用が少ない陽子線治療や重粒子線治療、がん細胞だけをターゲットにした治療薬など、希望となる新たな治療法についてもご紹介いただきました。

先生は、「自分の身近に小児がんにかかった子どもがいたら、どうやって応援すればいいと思いますか。今日一日を通して考えてください」と投げかけました。

開会の挨拶をする神奈川県立こども医療センター総長の町田治郎先生。スイカキャップで登場し子どもたちを和ませてくれました。

後藤裕明先生の話に耳を傾け小児がんを学ぶ子どもたち。

 

子どもたちに命の重さを伝える小児がん体験談

続いて登壇したのは、小児がんサバイバーの小川名優貴さん。小児がんに罹患し小学6年生から中学2年生までを過ごした同センターでの入院生活を振り返っていただきました。小川名さんの場合、初期症状は首のしこり、倦怠感、発熱だったといいます。サッカー少年だった小川名さんは、試合中も疲れやすくなり次第に学校を休みがちに。病院で検査を受けた結果、血液がんと判明。「治療は辛い、きつい、苦しい、気持ち悪い!それしか覚えていません!」。でもそれ以上に辛かったのは、入院中に出会った友人との永遠の別れだったと言います。

「親友だった男の子がいて、ある日病室に遊びに行ったらすごく不機嫌でした。僕は相手をするのが面倒になり、その日から病室に行かなくなったんです。しばらくして看護師さんに病室に行ってあげてと言われ訪ねてみると、彼のお母さんは泣き崩れ、親友の彼はもう亡くなっていました。後悔しましたね。あの日、なぜもっと言葉をかけて寄り添えなかったのかって。その後、別の友人も亡くなりました。今、その子たちの分まで生きたいと強く思っています」

辛い闘病を乗り越え命の重さを伝える小川名優貴さん。一言一言が熱く、重く心に響きます。

小川名さんは現在24歳。当時の闘病体験が自身に与えた影響について、「僕の場合、がんになって楽しい生活や夢が一旦すべて崩れてしまい、いいことなど何もありませんでした。でも、小児がんになったから子どもたちに命の大切さを伝えたくて小学校の教師になりました。そして、がんになったおかげで強い自分を手に入れました。生きたくても生きられない人はたくさんいます。だから、今自分が生きていることに感謝し、亡くなった人たちの分まで命を燃やしたい。生きていることだけで、僕は恵まれていると思うから」

小川名さんの軽妙でエネルギッシュな語り口に引き込まれ、じっと聞き入ったり、熱心にメモを取ったりする子のどもたちの姿も。目頭を熱くする保護者も見受けられました。

今できることを始める一歩に。レモネードスタンド体験

今回は、小児がん支援のための募金活動として、レモネードスタンド体験を実施。まず、レモネードスタンドの歴史を動画で振り返ります。その原点はアメリカ。自身の小児がん罹患を機に同病の子どもたちを救いたいと4歳の少女アレックスが自宅の庭でレモネードを売り、その売り上げを病院に寄付したのがレモネードスタンドの始まりです。自分が辛い状況でどうして他の人を助けようと思うのか。その質問に、「人生が酸っぱいレモンを与えたときは、甘いレモネードを作ればいい」と答えたアレックス。2004年8月、アレックスは他界しましたが、活動の輪は全米そして日本にも広がっています。子どもたちは、レモネードスタンドのバックグラウンドを知ったことで活動の意義を理解し、この体験に意欲を見せていました。

レモネード作りは6グルーブにわかれて行い、レモン原液、砂糖、水を混ぜるシンプルな作業なので小学生でも簡単。完成したら募金箱を持って家族やスタッフにレモネードを配り、代わりに模擬通貨を受け取り実際の活動の様子を体験。その後、各グループの代表者が感想を発表しました。「他校の友人がレモネードスタンドをやっていて、当時は活動の目的を知らずに飲んでいました。今日レモネードスタンドの始まりとやり方を知り、高校生の自分にできることを考えるきっかけになりました」。「小児がんは治って終わりではなく、その後の発達にも影響するので継続的な支援が必要。自分には病気を治すことはできないけれど、レモネードスタンドのボランティアに参加して、できることを行動に移していきたいです」等々、子ども心に支援の必要性を感じ立ったようで、ますます活動の輪が広がる可能性を感じました。

グループで協力して初めてのレモネード作りにトライ。みんなおいしくできました。

緊張しながら募金箱を持ってレモネードを配りました。レモネードスタンドは学校の文化祭、企業、地域のお祭りなどで開催されています。

小児がん、AYA世代のがん啓発・研究推進プロジェクト「レモネードスタンド」はNPO法人キャンサーネットジャパンで実施しております。詳細については、こちらをご覧ください。

気分はドクター!? 本物の医療器具を使って検査・手術を模擬体験

午後は先生方の指導のもと検査や手術を模擬体験。その準備知識として、同センター外科医長・小児がんセンター長の北河徳彦先生が、『“小児がん”はこうやって見つける!治す!』をテーマにレクチャーを行いました。小児がんを見つけるための検査は、「まずエコー検査を行い、さらに詳しい検査としてCTなどのレントゲンで体の中を映し出しがんのある場所を特定。次に、血液腫瘍内科でお腹を切りがんと疑われる細胞を取り出し、病理検査科の先生がその細胞を顕微鏡で見て病気が確定します」という、治療に至る検査の流れを紹介していただきました。

北河徳彦先生は、小児がんの検査映像を見ながら検査方法などを解説。

いよいよ、子どもたちが楽しみにしていた模擬体験へ。今回の体験は、(1)がんの細胞を顕微鏡で見てみよう(2)エコー検査を体験してみよう(3)模擬手術を体験しよう(4)内視鏡をのぞいてみようの4種類です。

(1)がんの細胞を顕微鏡で見てみよう

病理検査科の先生にご協力いただき、顕微鏡をのぞきながら様々ながんの細胞を観察し、がんの種類ごとに細胞の特徴を説明。「顕微鏡を両目で見るのが難しい!」という声も聞かれました。

先生の説明を受けながら初めて見るがん細胞に興味津々。

(2)エコー検査を体験してみよう

2人1組になり、検査を受ける人はベッドに腹部を出して横になり、検査を行う人はゼリーをつけたプローブをお腹に当て、モニターに映る心臓、肝臓、腎臓の様子を観察。「自分の心臓の動きをチェックして!心臓が動くことで全身に血液が送られるんだよ」という先生の説明に興味深く耳を傾けていました。

自分の臓器が動く様子を観察する新鮮体験。プローブの扱いは想像以上にスムーズでした。

(3)模擬手術を体験しよう

子どもたちは手術着に着替え、手術の傷口を縫い合わせる「縫合」を体験。針とピンセットを使い縫合する糸の結び方を教わる子どもたちの表情は真剣そのもの。さらに腹腔鏡手術の模擬体験では、モニターを見ながら内視鏡を操り、先端についたはさみでビーズをつかみ棒に刺していく作業にトライしました。

ガウン、帽子、手袋、マスクを着けて手術の準備は万端!?

器用にピンセットを操り、初めての「縫合」をクリア。「上手だね!」と先生からお墨付きが。

腹腔鏡を使いこなすのは至難の業。日々手術を行うドクターに尊敬のまなざしが向けられました。

(4)内視鏡をのぞいてみよう

用意されたのはお腹の中を模した箱。この箱の中には大腸のような細いトンネルがあり、上下左右に方向を変えるアングルノブを左手で操作し、右手でレンズがついた内視鏡の先を持ちモニターを見ながらトンネルの中に挿入、箱の中にあるシールを探します。

本物の内視鏡を扱える貴重な機会、曲がりくねったトンネルの中に内視鏡を挿入するのに悪戦苦闘。

すべてのプログラムを終えた子どもたちは、座学と体験を通して楽しく、正しく小児がんと向き合い、今できることを前向きに考える時間を過ごせたようです。笑顔で記念写真を撮り、全員に「参加証明書」が発行されました。

子どもたちと先生方、スタッフも交えて記念撮影。

支援の輪を広げるには、まず小児がんに興味を持ち病気を理解することが第一歩。本講座でそれぞれが感じたこと、できることを持ち帰り、学校、家庭、地域でレモネードスタンドなどの活動を広げてくれることを期待したいです。支援のバトンを手に会場を後にする子どもたちの背中が頼もしく見えました。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

イベントタイトル:神奈川県立こども医療センター 夏休み公開講座 もっと知ってほしい小児がんのこと~“小児がん”ってどんな病気?小児がん治療・支援を体験しよう!~

開催日時:2019年8月10日(土) 10:00-15:00
会場:神奈川県立こども医療センター 本館 2F 講堂
共催:神奈川県立こども医療センター / 認定NPO法人キャンサーネットジャパン
協賛:メディデータ・ソリューションズ株式会社
協力:メドライン・ジャパン合同会社
後援:神奈川県 / 横浜市医療局 / 若年性がん患者団体STAND UP!!
参加者:43名(小学生24名、中学生12名、高校生7名)
見学者:40名

【プログラム】
10:00-10:05 開会挨拶
町田 治郎 先生 神奈川県立こども医療センター 総長

10:05-10:35 授業 “小児がん”ってどんな病気?
後藤 裕明 先生 神奈川県立こども医療センター 副院長/血液・腫瘍科 部長

10:35-10:45 体験談 僕・私の“小児がん”

10:45-11:00 休憩 

11:00-11:50  レモネードスタンド体験
小児がん支援のレモネードスタンドを開催してみよう!
レモネードの作り方・スタンドの開催方法

11:50-12:05 授業 “小児がん”はこうやって見つける!治す!
北河 徳彦 先生 神奈川県立こども医療センター 外科部長/小児がんセンター長

12:05-13:15 休憩

13:15-15:00 技術体験
先生の指導で検査や手術を体験してみよう!
①がんの細胞を顕微鏡で見てみよう ②エコー検査を体験してみよう
③模擬手術を体験しよう ④内視鏡をのぞいてみよう

 

【医療者対象】乳がん薬物療法のShared Decision Making セミナー in 徳島

13:00-13:02 開会挨拶 NPO法人キャンサーネットジャパン

13:02-13:05 座長挨拶 
徳島大学大学院 医歯薬学研究部胸部・内分泌・腫瘍外科分野 教授 丹黒 章 先生 

13:05-13:20 講演 ① Shared Decision Making について
講師:がん研究会有明病院 副院長・乳腺センター長 大野 真司 先生 

13:20-14:05 講演 ② 乳がん薬物療法最前線 
講師:徳島市民病院 乳腺外科 日野 直樹 先生

休 憩 5 min

14:10-14:25 講演 ③ 遺伝性乳がん 
講師:徳島大学病院 食道・乳腺甲状腺外科 井上 寛章 先生

14:25-14:40 講演 ④ 乳がん治療と向き合って
演者: 若年性乳がん患者・CNJ乳がん体験者コーディネーター 竹條 うてな 氏 

14:40-14:55 講演 ⑤ 意思決定での看護師の役割 〜実際の現場から〜
演者: 徳島大学病院 がん看護専門看護師 一宮 由貴 氏

休 憩 10min

15:05-15:35 グループワーク
座長: 丹黒 章 先生
3つのケースを患者の背景(年齢、職業、立場、経済状況、趣味など) 治療歴など考慮してどの治療を選択するかグループごとに話し合う 

15:35-16:05 発表 質疑

16:05-16:15 総括 
丹黒 章 先生 

【医療者対象】乳がん薬物療法のShared Decision Making セミナー in 富山

13:30-13:32 開会挨拶
富山大学大学院 医学薬学研究部 消化器・腫瘍・総合外科教授 藤井 努

13:32-13:35 座長挨拶
糸魚川総合病院 外科部長 田澤 賢一

13:35-14:15 講演 ① 乳がん薬物療法最前線 
昭和大学医学部 外科学講座 乳腺外科学部門 准教授 明石 定子
14:25-14:35 休 憩 

14:25-15:05 グループワーク 
司会進行 富山大学消化器・腫瘍・総合外科 講師 診療教授 長田 拓哉
症例提示 富山大学消化器・腫瘍・総合外科 荒井 美栄
患者の背景(年齢、職業、立場、経済状況、趣味など) 治療歴など考慮して 
治療の選択、および注意点についてグループごとに話し合う。 

15:05-15:25 発表 質疑 
各グループから 発表 & 質疑

15:25-15:55 講演 ② 乳がん治療における情報共有について 
講師 昭和大学医学部 外科学講座 乳腺外科学部門 教授 中村 清吾

15:55-16:00 閉会挨拶  
富山大学 消化器・腫瘍・総合外科
射水市民病院院長 島多 勝夫

【医療者対象】乳がん薬物療法のShared Decision Making セミナー in 札幌

座長 北海道がんセンター 副院長 高橋 將人

13:00-13:05 開会挨拶
NPO法人キャンサーネットジャパン

13:05-13:40 講 演(1) 乳がん薬物療法最前線 ルミナールタイプ/HER2タイプ
高橋 將人

13:40-13:45 休 憩

13:45-14:20 講 演(2) 乳がん薬物療法最前線 トリプルネガティブタイプ/ 遺伝性乳がん
札幌医科大学 消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座 九冨 五郎

14:20-14:30 休 憩

14:30-14:40 講 演(3)乳がん治療と向き合って 
大月 絢美(BEC 乳がん体験者コーディネーター)

14:40-14:55 講 演(4)意思決定での看護師の役割 〜実際の現場から〜
北海道がんセンター 副看護師長 乳がん看護認定看護師 宮﨑 絢香

14:55-15:35 グループワーク
司会進行:宮﨑 絢香
座長の高橋先生よりケースを出して、グループごとにディスカッション
ファシリテーター
函館五稜郭病院 乳がん看護認定看護師 伊藤 智恵子
帯広厚生病院 乳がん看護認定看護師 太田 美幸
天使病院 乳がん看護認定看護師 河村 清美
札幌ことに乳腺クリニック 乳がん看護認定看護師 堀田 美紀
北美原クリニック乳腺センター 乳がん看護認定看護師 村上 佳美

15:35-16:05 各グループから 発表 & 質疑

16:05-16:15 総括  高橋 將人

冊子「もっと知ってほしい大切な人ががんになったとき 血液がん」が完成しました

新規冊子「もっと知ってほしい大切な人ががんになったとき 血液がん」を制作しました。血液がんの基礎知識から造血幹細胞移植・治療・小児がん/AYA世代のがんなどについて、患者支援に携わる方々が知っておきたい情報をまとめています。また、体験談を “Caregivers Voice(体験者の声)”として掲載しています。

ブルーリボンキャラバン~もっと知ってほしい大腸がんのこと2019in東京~

3月は、国際的な大腸がんの啓発月間です。

大腸がん疾患啓発活動「ブルーリボンキャンペーン」では、大腸がんの診断・検査から、また外科的治療・薬物療法について広く一般の皆様に知って頂くことを目的としています。
会場は、東京医科歯科大学医学部附属病院 M&Dタワー 鈴木章夫記念講堂です!

総合司会 中井 美穂

アナウンサー/認定NPO法人キャンサーネットジャパン理事

開会挨拶 13:00~13:05

(5分)

植竹 宏之

東京医科歯科大学医学部附属病院 消化器化学療法外科 科長

講演① 13:05~13:20

(15分)

「15分で学ぶ!大腸がんの基礎知識」

岡﨑 聡

東京医科歯科大学医学部附属病院 消化器化学療法外科

講演② 13:20~13:45

(25分)

「大腸がんの手術療法~開腹手術からロボット手術まで~」

絹笠 祐介

東京医科歯科大学医学部附属病院 大腸・肛門外科 科長

講演③ 13:45~14:10

(25分)

「大腸がんの内視鏡診断・治療、最前線!in2019」

福田 将義

東京医科歯科大学医学部附属病院 光学医療診療部

休憩 14:10~14:30

(20分)

休憩
講演④ 14:30~14:50

(20分)

「大腸がんの化学療法~満足のいく治療選択のために~」

石川 敏昭

東京医科歯科大学医学部附属病院 消化器化学療法外科

体験談 14:50~15:10

(20分)

「私のがん体験~25歳で大腸がんと診断されて~」

小池 善(大腸がん経験者)

講演⑤ 15:10~15:30

(20分)

「大腸がんと遺伝」

山口 達郎

がん・感染症センター都立駒込病院 外科・遺伝子診療科

講演⑥ 15:30~15:55

(25分)

「免疫チェックポイント阻害剤~大腸がんへの挑戦~」

谷口 浩也

国立がん研究センター東病院 消化管内科

休憩 15:55~16:10

(15分)

休憩
Q&A 15:55~16:10

(15分)

【Q&Aセッション】 質問票にお答えします!

杉原 健一/絹笠 祐介/福田 将義/石川 敏昭/山口 達郎/谷口 浩也/小池 善

閉会挨拶 16:45~16:50

(5分)

三宅 智

東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍センター センター長

当日は、ホワイエにて大腸がんの検査・治療に使用する機器などのブース展示を行います!
展示スペースはどなたでもご自由に観覧いただけます。お気軽にお越し下さい。

●東京医科歯科大学 医学部附属病院がん相談支援センター/東京都立中央図書館
●東京医科歯科大学 医学部附属病院臨床栄養部/歯学部口腔保健学科
●東京医科歯科大学 医学部附属病院 がんゲノム診療科
●オリンパスメディカルサイエンス販売株式会社
●ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社
●コヴィディエンジャパン株式会社
●アルフレッサファーマ株式会社
●株式会社メディコン
●アミン株式会社
●NPO法人がんと暮らしを考える会
●公益社団法人日本オストミー協会
●若い女性オストメイトの会 ブーケ

ブルーリボンキャラバン~もっと知ってほしい大腸がんのこと2019in長崎 長崎みなとメディカルセンター 市民公開講座~

長崎みなとメディカルセンター 市民公開講座として開催します!

大腸がん疾患啓発活動「ブルーリボンキャンペーン」では、大腸がんの診断・検査から、また外科的治療・薬物療法について広く一般の皆様に知って頂くことを目的としています。
ブルーリボンキャラバンでは、初の長崎開催です!会場は、長崎市市民生活プラザホール(メルカつきまち 5階)です。

プログラム
総合司会:中井美穂 アナウンサー

13:00-13:05 【開会挨拶】
濱島 明美 NPO法人キャンサーネットジャパン

13:05-13:45 【講演1】

①大腸がんってどんな病気?
兼松隆之 長崎みなとメディカルセンター 院長

②大腸がんの外科治療について
渡海大隆 長崎みなとメディカルセンター 消化器外科医長

13:45-14:15 【講演2】大腸がんの手術後の食事と栄養、そして大腸がん予防のための食事の注意点について
馬場 かおり 長崎みなとメディカルセンター 栄養管理部 管理栄養士

14:15-14:45 【講演3】大腸がんの早期発見・早期治療について
本田 徹郎 長崎みなとメディカルセンター 消化器内科医長

14:45-15:00 【休憩】質問票回収

15:00-15:15 【講演4】大腸がんの就労支援について
手水 眞理子 長崎みなとメディカルセンター 患者総合支援センター ソーシャルワーカー

15:15-15:45 【講演5】大腸がんのおくすり治療
峯 孝志 長崎みなとメディカルセンター がん診療統括センター長
(ブルーリボンキャンペーンアンバサダー)

15:45-15:55 【休憩】質問票回収

15:55-16:25 【Q&A】会場からの質問票に答えます
パネリスト:演者の先生方
司会:中井美穂

16:25-16:30 【閉会挨拶】
兼松 隆之 長崎みなとメディカルセンター 院長

当日は、大腸がんの検査・治療に使用する機器などのブース展示を予定しています!

1)正しい便潜血検査の方法(アルフレッサファーマ株式会社
2)CVポートの針刺し体験(株式会社メディコン
3)オペ後&オストメイトに優しい下着(グンゼ株式会社
4)日本オストミー協会 長崎県支部
5)ブーケ若い女性オストメイトの会
6)口腔ケア商品(サンスター株式会社
7)内視鏡操作体験(富士フイルムメディカル株式会社
8)がん検診の案内(長崎県
9)啓発グッズやガイドライン販売(認定NPO法人キャンサーネットジャパン


※写真は過去のイベントの様子。

ブルーリボンキャラバン~もっと知ってほしい大腸がんのこと2019in倉敷~川崎医科大学附属病院 市民公開講座~

川崎医科大学附属病院 がんセンターと共催にて、川崎医科大学附属病院 市民公開講座として開催します!

大腸がん疾患啓発活動「ブルーリボンキャンペーン」では、大腸がんの診断・検査から、また外科的治療・薬物療法について広く一般の皆様に知って頂くことを目的としています。
ブルーリボンキャラバンでは、初の岡山県開催です!会場は、川崎医科大学附属病院 本館棟 8階 大講堂です。

プログラム
総合司会:石田 好伸 RSK(山陽放送)アナウンサー

13:00-13:05 【開会挨拶】
日野 啓輔 川崎医科大学附属病院 がんセンター長

13:05-13:15 【講演1】大腸がんってどんな病気?
永坂 岳司 川崎医科大学附属病院 臨床腫瘍科 副部長
(ブルーリボンキャンペーンアンバサダー)

13:15-13:45 【講演2】大腸がんの内視鏡治療について
村尾 高久 川崎医科大学附属病院 食道胃腸内科 医長

13:45-14:15 【講演3】大腸がんの外科的治療について
鶴田 淳 川崎医科大学附属病院 消化器外科 副部長

14:15-14:30 【休憩】質問票回収

14:30-14:45 【講演4】大腸がん患者さんの食事と栄養
犬飼 道雄 岡山済生会総合病院 内科 主任医長
(ブルーリボンキャンペーンアンバサダー)

14:45-15:00【体験談】大腸がんの患者さんによる体験談

15:00-15:30 【講演5】大腸がんの薬物療法について
谷岡 洋亮 川崎医科大学附属病院 臨床腫瘍科 医長
(ブルーリボンキャンペーンアンバサダー)

15:30-15:45 【休憩】質問票回収

15:45-16:20 【Q&A】会場からの質問票に答えます
パネリスト:演者の先生方

16:20-16:25 【情報提供】
濱島 明美 認定NPO法人キャンサーネットジャパン

16:25-16:30 【閉会挨拶】
永坂 岳司 川崎医科大学附属病院 臨床腫瘍科 副部長
(ブルーリボンキャンペーンアンバサダー)

当日は、大腸がんの検査・治療に使用する機器などのブース展示を予定しています!
1)川崎医科大学附属病院 がん相談支援センター
2)川崎医科大学附属病院 栄養部
3)CVポート展示&針刺し体験(株式会社メディコン
4)正しい便潜血検査の方法(アルフレッサファーマ株式会社
5)手術後・オストメイトの方に優しい下着 グンゼ株式会社
6)腹腔鏡操作体験(ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社
7)大腸内視鏡操作体験 富士フイルムメディカル株式会社
8)大腸内視鏡操作体験 オリンパス株式会社
9)日本オストミー協会 岡山県支部
10)ブーケ(若い女性オストメイトの会)
11)NPO法人キャンサーネットジャパン(大腸がん啓発活動ブルーリボンキャンペーン



(写真は過去のブース例です)

第5回 東京医科歯科大学「がんを考える」市民公開講座~がん治療とQOL(生活の質)~(協力&ブース出展:CNJ)

キャンサーネットジャパンが開催協力&ブース出展させていただきます!

東京医科歯科大学は、地域がん診療連携拠点病院としての活動の一環として、がんに関するさまざまなテーマの公開講座を行っています。第5回は「がん治療とQOL(生活の質)」をテーマに、QOLががんの治療成績に与える影響の大きさ、治療中でも患者さん自身がQOLの維持に積極的に取り組む意義を知っていただき、QOL維持に役立つ工夫や情報を提供したいと思っております。各種ブース展示、体験コーナーなど、楽しく学べる企画を準備中です!

第5回 東京医科歯科大学「がんを考える」市民公開講座
テ ーマ: がん治療とQOL(生活の質)

日   程: 2019年(平成31年) 1月 13日(日)
時   間:12 : 00(開場) ~17 : 00(閉場)
【セ ミ ナー 】 13 : 00~16 : 40
【ブース展示】 12 : 00~17 : 00
会   場:東京医科歯科大学M&Dタワー 2階 鈴木章夫記念講堂
東京医科歯科大学のWEBサイトはこちら

【セミナープログラム】鈴木章夫記念講堂
司会 石黒 めぐみ 東京医科歯科大学医学部附属病院 消化器化学療法外科

13:00-13:05 開会挨拶
開会挨拶
三宅 智 東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍センター/緩和ケア科

13:05-13:25 講演①
知ってますか?がん治療とQOLの関係
石川 敏昭 東京医科歯科大学医学部附属病院 消化器化学療法外科

13:25-13:55 講演②
がん患者さんのための栄養・食事の工夫
有本 正子 東京医科歯科大学医学部附属病院 臨床栄養部

13:55-14:25 講演③
摂食嚥下(食べる・飲み込む機能)の大切さ
中川 量晴 東京医科歯科大学医学部附属病院 摂食嚥下リハビリテーション外来

14:25-14:55 講演④
「がんのリハビリテーション」ってどんなもの?何のため?
酒井 朋子 東京医科歯科大学歯学部附属病院 リハビリテーション部

14:55-15:15 休憩

15:15-15:35 医科歯科大のがん治療update➀
「遺伝性乳がん・卵巣がん(HBOC)外来」がスタートしました
大島 乃里子 東京医科歯科大学歯学部附属病院 周産・女性診療科

15:35-15:55 医科歯科大のがん治療update➁
もっと知ってほしい!「緩和ケア病棟」のこと
三宅 智 東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍センター/緩和ケア科

15:55-16:35 パネルディスカッション
がん治療とQOL
座長:植竹 宏之 東京医科歯科大学医学部附属病院 消化器化学療法外科

16:35-16:40
閉会挨拶
川﨑 つま子 東京医科歯科大学医学部附属病院 看護部長

【ブース展示】講堂前ホワイエ12:00-17:00
■がんと栄養・食事(東京医科歯科大学医学部附属病院 臨床栄養部)
■お口の楽しみ、支えます(東京医科歯科大学歯学部 口腔保健学科)
■「がんのリハビリテーション」ってどんなもの?(東京医科歯科大学医学部附属病院 リハビリテーション部)
■「がんゲノム医療」ってなに?(東京医科歯科大学医学部附属病院 がんゲノム診療科)
■ウィッグ・メイクを楽しもう!(アプラン東京義髪整形/マーシュ・フィールド)
■術後の補正下着・パッドのご紹介(株式会社ワコール リマンマ)
■抗がん剤治療の味方「CVポート」ってどんなもの?(株式会社メディコン)
■「もっと知ってほしい」シリーズ冊子(認定NPO法人キャンサーネットジャパン)
■がん患者さんの家計・お仕事に関するご相談(NPO法人がんと暮らしを考える会)
■がん患者と家族へのピアサポートの紹介(NPO法人がん患者団体支援機構)
■リレー・フォー・ライフ・ジャパン(RFL)のご紹介(RFL御茶ノ水実行委員会)
■看護師よろずミニ相談(東京医科歯科大学医学部附属病院 専門・認定看護師チーム)

今年も、運営協力&CNJブースを出展します!
ブースでは、好評いただいている「もっと知ってほしい」シリーズ冊子をご用意します!是非、お立ち寄りください!

前立腺がんセミナー2018 in 札幌 〜もっと話そう前立腺がん転移のこと くらしを守る早期対応のすすめ〜

本レポートは2018年9月29日(土)に開催した時の内容です。医療情報は日々進歩しています。最新の情報と変わっている場合があります。また講師の所属や肩書きもそのときのものです。ご注意ください。

もっと話そう前立腺がん転移のこと~くらしを守る早期対応のすすめ 札幌セミナー

座長:永森 聡先生(北海道がんセンター 副院長)

目次

【講演記事1】前立腺がん転移について知ってほしいこと
丸山 覚先生 北海道がんセンター 前立腺センター長

【講演記事2】転移の早期発見・治療のために放射線でできること
西山 典明先生 北海道がんセンター 放射線診療部長

【講演記事3】治療と向き合う上で大切なこと~骨転移を体験して
川﨑陽二さん

【Q&Aディスカッション】
パネリスト:永森 聡先生 丸山 覚先生 西山 典明先生 川﨑 陽二さん
司会:武内 務さん(NPO法人腺友倶楽部 理事長)

【講演1】

前立腺がん転移について知ってほしいこと

丸山 覚 先生
北海道がんセンター 前立腺センター長

高齢者に増える前立腺がん

前立腺がん患者は増加傾向にあり、日本人男性の11人に1人が生涯のうちに罹患するとされています。高齢者に多いがんで、現在は患者全体の約半数が75歳以上ですが、その割合は2025年には約6割にまで増えると見込まれています。

リスク因子のひとつがこの「高年齢」で、60歳ころから注意が必要です。罹患には人種差もあり、黒人(4人に1人が罹患)や白人(8人に1人が罹患)と比べれば、日本人は前立腺になりにくいということになりますが、食生活の欧米化で日本人もがんに罹患しやすくなってきています。また、家族歴も重要であり、父子や兄弟に前立腺がん経験者がいる場合の罹患リスクは、そうでない場合の2.4~5.6倍というデータもあります。

前立腺がんの場合、医師に指摘されていなかったものの、ほかの病気の治療で切除した組織を検査したことで初めて見つかる「偶発がん」の割合が30%前後を占めています。また、亡くなった後に解剖して初めてがんが確認される「ラテントがん」の割合は死亡時の年齢が上がるほど高くなり、90代では白人が9割、日本人も5割となっています。この方々は生きているときは前立腺がんがあると気付かなかった人です。つまり、前立腺がんに罹患していても、まったく治療をしないまま一生を終える人がたくさんいらっしゃるのです。

つまり、前立腺がんは治療しなくてもよいケースもあるということになりますが、大事なのはその見極めです。その方法のひとつに組織学的分類(グリーソン分類)があります。前立腺の組織を針などで取り、顕微鏡で調べる検査です。前立腺はいろいろなものを分泌する細い管の集合体で、輪切りをすると丸いものの集まりになりますが、がんが悪くなると丸い形状が崩れていきます。こうしたがん細胞の顔つきを悪性度によって5種類に分けるのがグリーソン分類で、数字が大きくなるにがん細胞の悪性度が高くなります。もっとも多いがん細胞の数字と次に多いがん細胞の数字を足すことで、グリーソンスコアを出します。一番多いのが5で次に多いのが4であればグリーソンスコアは9となります。このグリーソンスコアが高いほどがんは進行しており、生存率は低くなります。


前立腺がんの治療方針は、このグリーソンスコア、血液検査による腫瘍マーカーPSAの数値、直腸診の3つの因子から、高リスク、中リスク、低リスクに分けて決めています。低リスクの場合は、まったく治療をしないということもあります。

中リスク、高リスクの場合は治療が必要になりますが、前立腺がんは治療がよく効くがんであり、治療法がたくさんあります。前立腺がんと診断された人の5年後の生存率は97.5%で、ほかのがんに比べ非常に高くなっています。

転移した場合の生存率についても、ほかのがんと比較すると高く、限局がんでは5年相対生存率がほぼ100%、遠隔転移がある場合でも30%から50%です。前立腺がんは長いつきあいになるがんといえるでしょう。

前立腺がんの転移について

前立腺がんの転移部位で多いのは、前立腺の周囲のリンパ節や腰椎、脊髄、骨盤などの骨です。肝臓や肺への転移はあまり多くありません。

転移が見つかった前立腺がんの6割から7割に見られるのが骨転移です。前立腺がん治療の基本となるホルモン療法の効果がなくなった去勢抵抗性前立腺がんではその頻度は8割以上とされます。
骨転移のメカニズムは、前立腺にできたがんの細胞の一部が剥がれて、血管内に入り、血液の流れにのって骨に移動、すみやすいところをさがしてがん細胞が巣をつくり、そこで分裂して増殖していくというものです。骨への転移には溶骨型転移と造骨型転移がありますが、前立腺がんは後者で、骨の新陳代謝のバランスが崩れ、骨がもろくなってしまいます。

*講演前に実施したアンサーパッドによる参加者アンケート(投票92名)より

骨転移の症状

骨転移の症状には、痛みやしびれ、麻痺、骨折、そして血中のカルシウムが増えることによる吐き気などがあります。初期はちょっとした違和感、いつもと違うなあといった症状ですが、進行すると痛みやしびれ、麻痺が起こってきます。こうした痛みやしびれは本人以外にわかりません。去勢抵抗性前立腺がんの場合などはPSAの数値が一桁でも転移している場合もあり、異常を感じたときには医師にすぐに伝えることが肝要です。しびれや麻痺は、脊椎にある椎体の中を走っている神経を腫瘍が圧迫することによって起こります。

手足がしびれる、力が入らない、下半身がしびれて踏ん張りがきかないというときは特に危険な状態なので、早めに受診してください。麻痺が発生して2日以上たつと回復できない可能性があります。逆に言えば2日以内であれば、放射線をあてたり、場合によっては手術をしたりして、症状を抑えることができる可能性があるということです。ここでも主治医に伝えることが大事になります。

骨転移の症状としての骨折は、大抵は上から下につぶれるような脊椎の圧迫骨折です。大腿骨の場合ではボキッと根っこで折れる場合もあり、もともと元気だったかたもこの骨折を機にとても弱々しくなってしまうケースもありました。

骨転移そのものだけでなく、ホルモン療法も骨をもろくする原因になっており、ホルモン療法(アンドロゲン遮断療法)で1年に2%から5%骨密度が減ることがわかっています。そこで骨折を防ぐために、定期的な骨密度測定をすること、無理のない運動をすること、カルシウム摂取をお勧めします。カルシウムは取りすぎもよくありませんが、なるべく食品から取るようにします。意外に多いのがトイレやお風呂など自宅での骨折です。転倒を防ぐためにもご家族の方も室内の整理整頓を心がけてください。

骨転移の検査と治療

骨転移では、腫瘍マーカーのPSAや骨代謝マーカーのALPが一般的に診断に使われています。画像検査では骨シンチグラフィーが一般的で、放射性同位元素(ラジオアイソトープ:RI)を注射して、撮影する方法があります。この薬は骨の転移の部位に集積しますから、画像には黒く写し出されます。

骨転移の治療は、基本的にはホルモン療法になりますが、骨密度が低下しやすくなるので、骨密度測定を定期的に行い、運動やカルシウム摂取を心がけてください。その後も骨転移に対する薬物治療もありますし、痛みを抑えるための鎮痛薬や放射線治療、さらに整形外科的処置、場合によっては手術といろいろな治療法があります。

薬物療法についてはホルモン療法、抗がん剤を使う化学療法、そしてこの後西山先生から話があると思いますが、放射性医薬品というものがあります。また、骨を強くするという意味で骨修飾薬、破骨細胞という骨を溶かす細胞を殺す薬、骨折の予防のために骨を補強したり、手術をしたりという整形外科治療も考えられます。

痛みに対しては、WHOで定められている鎮痛薬の使い方に沿って処方しています。一般的には非オピオイド鎮痛薬が第1段階であり、その後第2段階、第3段階ではオピオイドという医療用の麻薬を使います。

さらに薬でも痛みが取れなければ放射線治療という選択もあります。放射線ががん細胞のDNAを断ち切ることでがん細胞死につながり、それによって痛みを抑える効果があることがわかっています。外から放射線をあてる方法と、注射薬で内側から放射線を出す薬を投与する方法があります。

骨転移の治療で大事なのは、できるだけ早い段階から適切な治療を始めることです。そのためにも、患者さんから積極的に「こういう状況なんだ」と教えていただきたいと思いますし、それによって私たち医師も「あぁそうなのか」と気づくことができます。ですからあまり遠慮せず、躊躇せず主治医の方とよく話をしてこれからの診療を進めていただければと思います。

【講演2】

転移の早期発見・治療のために放射線でできること

西山 典明先生
北海道がんセンター 放射線治療部長

がんに対する放射線検査について

放射線は、空間や物質中を電磁波や粒子でエネルギーを伝播するものの総称です。あらゆるものから出ていて、この会場にも満ちているわけですが、人体に影響を及ぼすほど多くはないので問題になりません。放射線の単位には次のようなものがあります。

医療分野において放射線は画像診断と治療の両方で使われています。画像診断では体の調べたいところに放射線を照射し、通り抜けて出てきた放射線を検出することで臓器や病気の状態を調べます。一方、放射線治療というのは私の専門分野であり、放射線をあててがん細胞を死滅させるのが目的となります。問題はこのときにがん細胞だけでなく正常細胞にもダメージを与えてしまうことであり、その兼ね合いが重要であり、経験則にもかなり依存します。

前立腺がんの骨転移で行われる画像検査には骨シンチグラフィーやPET、MRIがあります。骨シンチグラフィーは、放射性同位元素(ラジオアイソトープ:RI)を用いたもので、午前中に注射をし、午後にガンマカメラというもので撮像します。骨転移の部位に薬剤が集まり、黒く写し出されます。ただし、炎症のあるところや過去に骨折して骨の密度が高くなっているところにも薬剤が集まりますから、骨シンチに所見があったからといって必ずしも転移とはいえません。

PETはおとなしいタイプの前立腺がんではなかなか薬が集まらず、前立腺がんの早期診断には使いにくいのですが、ある程度進行した去勢抵抗性前立腺がんのような悪性度の高い場合には検出できるので、実施することがあります。

MRIは放射線ではなく磁気を使った検査です。磁気を使っていろいろな信号を取り出すことができ、CTでは判断しきれないものを画像診断するときにも使われます。

前立腺がんに対する放射線治療について

放射線治療は、がんが局所に留まっているときに治す目的で行うものと、全身的に転移している場合に、症状を和らげる目的に行うものがあります。症状を和らげる目的では線量をそれほどたくさんかけません。副作用をできるだけ出さない程度にして治療をします。骨に転移したがんによる痛みを和らげたり、神経を圧迫してしびれや痛みの原因となっているがんを治療したりするときにも使います。この場合は痛みをとるだけでなく腫瘍をある程度小さくしていくことが必要になります。

放射線治療は大きく外照射と組織内照射にわかれます。外照射は電子線のような粒子線や、エックス線やガンマ線といった光子線に分けることができます。組織内照射には低線量率密封小線源治療や、高線量率組織内照射があります。また、非密封の放射性同位元素を用いる治療もあります。

骨転移の痛みに対する外照射は、部位が限定されている場合に有効です。神経症状がある程度あり、痛みの原因がどこかはっきりわかっている場合にそこに対して放射線をあてます。病的骨折や脊髄圧迫を伴わない骨転移の痛みに対する外照射では、59~73%の症例で緩和し、23~34%の症例で消失、つまり痛み止めがいらなくなるという結果となっています。

がんが脊椎転移して脊髄を圧迫している場合には放射線の緊急照射を要します。脊髄が圧迫されると手足の麻痺症状や膀胱直腸障害などが起きますが、その前段階には実は痛みがあることが多く、いきなりそうした症状が出ることはあまりありません。その前段階で治療できるのがいいのですが、麻痺などが出てからとなるとステロイドの投与を即座に開始し、それからすぐに放射線をあてるか、あるいは手術でその圧迫しているところを取り除きます。

かつて放射線治療といえば、透視や単純写真で骨構造を見て場所を決めていましたが、今はCTやMRI、PETなどの画像を用いることでがんと周辺組織を立体的に再現し、いろんな方向からあてることができるようになりました。専用コンビューターによる最適化計算を用いたIMRT(強度変調放射線治療)はどの地域でも受けられるようになってきましたし、その進化系であるVMAT(連続回転強度変調治療)やSIB-IMRT(標的体積内同時ブースとIMRT)も出てきて治療の可能性が広がっています。また補助技術の話になりますが、IGRT(画像誘導放射線治療)という補助技術を用いることで、正常組織への照射を避けながらがん病巣への放射線集中性を高めることもできるようになっています。

組織内照射のうち放射性同位元素(ラジオアイソトープ:RI)は、前立腺がんの骨転移に対し、骨に集積しやすい性質のRIや、RIを組み込んだ薬剤を注射などで体内に投与し、体の中からアルファ線をあてて治療する方法になります。

放射線療法を受ける場合は、その目的や方法、効果などを医師によく聞いておくことが大事です。次のようなリストを活用してみるのもいいでしょう。

【講演3】

治療と向き合う上で大切なこと ~骨転移を体験して~

川﨑 陽二さん
前立腺がん骨転移経験者

元介護福祉士として講演を行ってきましたが、実は9月1日に再就職して介護福祉士として復活しました。きょうは私なりに治療に向き合うことで大切にしてきたことや骨転移についてお話しいたします。

前立腺がんを告知されたのは6年7カ月前です。治療前のPSAは700ng/mlで、グリソンスコアは5+5=10でした。こうした数値を見ていただければ、私がどのような状態であったかはわかっていただけるのではないでしょうか。

すでに骨転移をしていたのですが、それ以前に前立腺がんであることをすぐに受け止めることができず、パニックになり現実を受け入れられなかった段階がありました。それを乗り越えて今があります。

現在はホルモン治療と化学療法(抗がん剤治療)を継続中です。抗がん剤については、以前使っていたものが今年の8月頃に効かなくなり、違う薬に変えました。骨転移では薬の副作用で顎骨壊死が起こりやすいことから、4週間ごとに口腔外科に通い口腔管理も行っています。

前立腺がんを告知されるかなり前から腰痛や肩こりがありましたが、まさかそれが骨転移の症状だとは思いもしていませんでした。介護福祉士といえば腰痛がつきものだし、むしろそれはプロのひとつの勲章だと勘違いしていたのです。

骨転移では全身を針で刺されるような痛みも経験し、放射線治療や緩和治療を受けるようになりました。副作用に悩んだ時期もありましたが、そうした治療も今となっては受けてよかったと思っています。

これは6年7カ月前の骨シンチの画像とその4年後の画像ですが、治療により非常に改善していることがわかります。

ただ、骨転移の第二の疾患というか、椎間板ヘルニア、そこからの脊柱管狭窄症に悩まされるようになり、いろいろな鎮痛剤を使ったり、ペインクリニックに通ったりもしましたが、痛みがなかなか治まらず、昨年12月と今年6月に整形外科で脊椎の除圧手術を受けました。

告知を受けてからこれまでの痛みと生活の質(QOL)を表にしてみました。薄い緑がQOLです。痛みが最高のときはQOLが最低でしたが、その後放射線療法を受けて逆転。2015年あたりまでは仕事にも復活していました。しかし骨転移を甘くみていたのがよくなかったのでしょう。小さな症状もあったはずですが、それを無視して仕事を続けていたら狭窄症と診断されブロック注射をし、除圧手術を受けることになりました。なお今年6月の除圧手術は内視鏡を使った最新の手術です。

前立腺がんになってからというもの、苦しかったこと、辛かったことはたくさんあります。骨転移の痛みで夜も1週間眠れなかった経験もありました。冒頭にお話ししたとおり、この9月に再就職しましたが、それまでの2年は脊柱管狭窄症もあって仕事を辞めざるを得ない状況でした。今もそうですが思うように歩けない状態なのですが、この病気は話さないとなかなか理解されないのも辛かったです。

こうした経験から自分なりに大切だと思うのは、小さな症状でも訴えるということです。また、私のように「これは職業的なもの」といった勝手な自己判断はしないでください。生活の質を保つことも心がけています。生活の質を落とすと治療に対して前向きになれません。私もこれから先どうなるかわかりません。転倒したら骨折、というのもみなさんよりリスクが大きいのでそこも注意をしなければなりません。

最後になりますが、どんな名医でも骨に対する痛みはわかりません。小さな痛みでもそれを主治医に訴えることが大切で、その訴えによって最適な治療を先生が施してくれると思っています。

* 患者さん個人のご経験をお話しいただきました。すべての患者さんが同様の経過を示すわけではありません。

【Q&Aディスカッション】

パネリスト:永森 聡先生(北海道がんセンター 副院長) 丸山 覚先生
西山 典明先生 川﨑 陽二さん
司会:武内 務さん(NPO法人腺友倶楽部 理事長)

質問:手術後のPSAが0.4で主治医から1から2になったらホルモン療法を開始すると言われています。この場合、放射線治療の適用にならないのでしょうか。

丸山先生:手術をすると高かったPSAがほとんどゼロになります。その後3カ月ごとくらいでPSAを測っていきますが、再発した場合は少し上がってきます。その場合の再発の世界的な基準はPSA 0.2であり、0.2になったら治療を考えましょうということになります。最近の流れでは放射線療法あるいはホルモン療法であり、放射線のほうが多く選ばれています。0.2を超えてもまたちょっと下がる場合もあるので、しばらく様子を見て大体0.4になった時点で放射線をかけることを推奨しています。最近の研究では早い段階で放射線をかけたほうがよい結果が得られるということもわかってきています。

質問:口腔外科にかかっている理由は。

川﨑さん:当初は主治医の勧めです。骨転移をしているのでその治療の副作用として顎骨壊死になる可能性があり、それに備えて口腔管理をしなければならないということと、やはりさまざまな副作用で口内炎ができることもあり、普通の歯科医ではなく口腔外科に行きました。

永森先生:骨転移がある場合、その治療で使用する骨吸収抑制剤には副作用として顎骨壊死があります。そこで治療される前に口腔外科に行かれたということだと思います。当院でも前方、後方で歯科医や口腔外科で診てもらうことを勧めています。

質問:全摘後PSAが上がってきたらどういうタイミングで検査をすればいいのでしょうか。術後1年8ヵ月がたちましたがPSAの検査しかしていません。骨シンチはしなくてもいいのでしょうか。

丸山先生:転移がなく、手術を受け、薬を使っていないという状況では、PSAは非常に頼りになる指標となり、骨シンチグラフィーやCT検査はあまりやらないのが一般的です。ただし、そのPSAが上がってきたら、転移があるかどうかを確認することが必要で、骨シンチやCTが必要になってきます。術後1年8カ月そうした検査をしていないということはPSAの数値が高くないということだと思います。

質問:全摘手術後PSAが上昇し、現在はホルモン療法を行っています。副作用もあり日常生活が辛いのですが、手術後根治を目指し放射線療法を受けるという考え方はあるのでしょうか。

西山先生:去勢抵抗性になってからでは厳しいので、ホルモン療法が効いているうちに放射線治療を受けることを考えている方はいらっしゃいます。PSAが上がっている状態ということですから、画像診断を加えて行い、ほかに転移がないことを確認して、前立腺のあるところ(あったところ)に放射線治療を行うことはあります。そこにしかないのであれば根治を目的にした治療として成り立ちますが、遠隔転移があるかどうかの見極めは難しいところがありますから、ホルモン療法をやめてみないと治ったかどうかはわからないということになります。

質問:前立腺がんステージ4でホルモン療法を行っています。現在PSAは安定していますが、さらに睾丸切除をする必要はあるのでしょうか。精巣を摘出した場合、ホルモン療法はいずれ耐性ができるといわれていますが、精巣を摘出した場合でも同様なのでしょうか。

丸山先生:ホルモン療法は体の中にある男性ホルモンの量を血中で低下させます。標準治療は3カ月ごとに1回お腹もしくは腕に注射する薬になりますが、そのメカニズムは下垂体に作用し、精巣から産生される男性ホルモンをなくすというものです。ですので、今現在ホルモン療法で男性ホルモンが減っているのであれば、精巣を取ったところで変わりません。お金をかけたくない、あるいは持続的に病院に通うのが嫌という場合には、注射をやめて精巣を取るという選択もあり得るとは思います。

質問:前立腺がんになって食事に気をつけていることはありますか。治療に効果がある食べ物はありますか。

川﨑さん:私は大の肉好きだったのですが、がん宣告後やはり摂取量というか食べ物の量が減り、油ものが自然と少なくなりました。今は家内の勧めもあり野菜中心。肉も魚も食べますが量的に減りました。好きなものは好きなだけといった感じです。

永森先生:食事について「自由にしてください」というのが原則ですが、一般的にイソフラボンは女性ホルモン様の作用があるといわれています。それがいい方向に働くかどうかエビデンスはありませんが、悪さはしないといえるでしょう。「がんに効く」などと売られている高価なキノコがありますが、そうしたキノコには男性ホルモン様の作用があるものがあるといわれており、やめたほうがいいでしょう。

質問:Q&Aディスカッションの最後に、本日の座長の永森先生から一言お願いできますか。

永森先生:私は泌尿科医ですが、立場上いろんながんセミナーの司会をすることがあります。きょうのこの場にはそぐわないかもしれませんが、北海道はがん検診の受診率がとても低いことが気になります。また喫煙率も高い。どのがんも喫煙に関係もありますし、検診を受けていないことによって治療のスタートラインから不利になってしまっている人が多いというのが北海道の特徴です。幸い前立腺がんの治療薬は私たちが医者になったころに比べるとどんどん新しいお薬がでてきて、20年前だったら薬もなく注射で男性ホルモンのレベルを下げるような治療しかできませんでしたが、今はいろいろな経口剤や注射剤がでてきていますので、5年生存率もかなり改善しています。いったん転移するとどのがんも根治、完治というのはなかなか難しいのですが、前立腺がんに関しては、がんと長く共存できるといえるでしょう。前立腺がんというのは主に骨に転移します。骨というのは体を支えていますが、肺とか肝臓といった臓器のように命そのものを支えている部位ではありません。骨の転移はQOLを下げてしまうことはあっても、放射線をあてたり薬を飲むことである程度は治療していけます。あきらめず、川﨑さんのように、がんと共存していく気持ちで前向きに治療していただきたいと思います。
MAC-XOF-JP-0073-22-08

男性がん総合フォーラム Mo-FESTA CANCER FORUM

泌尿器科医・放射線治療医による講演と男性がん患者によるシンポジウム!
ヒゲは男性がんのシンボルマーク Movember(MO:ひげ + NOVEMBER)は
11月にひげを伸ばす男性がん啓発キャンペーン。世界20数カ国で行われています。

11:00〜11:30 開会挨拶 武内 務(NPO法人腺友倶楽部 理事長)
茂松 直之(日本放射線腫瘍学会 理事長/ 慶応義塾大学放射線科学教室 教授)
筧 善行(日本泌尿器科学会 前理事長/ 香川大学 学長)

11:30~ 12:10 講演1 前立腺がん治療の選択肢とその特徴について
三木 健太(東京慈恵医科大学附属病院 泌尿器科 診療副部長)

12:10〜12:50 講演2 前立腺がん放射線治療の進歩と現状について
青木 学 (東京慈恵医科大学附属病院 放射線治療部 診療部長)

12:50〜13:40 休憩

13:40〜14:20 Q&Aセッション 三木 健太/青木 学

14:20〜15:10 講演3 転移がん、去勢抵抗性がんとの向き合い方
赤倉 功一郎 (JCHO東京新宿メディカルセンター 泌尿器科 部長)

15:10〜15:25 休憩

15:25〜15:45 講演4 前立腺がん放射線治療の副作用低減の試みについて
扇田 真美 (東京大学附属病院 放射線科 助教)

15:45〜16:15 講演5 精巣腫瘍を知る 〜若者に多い希少がん〜

16:15〜16:30 休憩

16:30〜17:25 患者シンポジウム 男性がん患者も声をあげよう〜パパも大事にしてほしい!〜
司会:武内 務
パネリスト:川﨑 陽二(前立腺がん患者:NPO法人AWAがん対策募金 理事)
改發 厚(精巣腫瘍患者友の会 J-TAG 代表)
野口 晃一郎(男性乳がん患者)

17:25〜17:30 閉会挨拶 深貝 隆(NPO法人前立腺がん啓発推進実行委員会)

Mo-Lounge (モーラウンジ)
ブース出展
Mo-グッズ販売
Mo-フォト:撮影&展示 (フォトグラファー TAKA)
病室写真家TAKA展(多発性骨髄腫の患者TAKAさんがベッド上や車椅子で撮り続けた写真展)
Mo-パーティ など

ブルーリボンキャラバン~もっと知ってほしい大腸がんのこと2018in大阪 大阪国際がんセンター 市民公開講座~

大腸がん疾患啓発活動「ブルーリボンキャンペーン」では、大腸がんの診断・検査から、また外科的治療・薬物療法について広く一般の皆様に知って頂くことを目的としています。
通算39回目の開催となるブルーリボンキャラバンは、4年振りの大阪市内開催です!

大阪国際がんセンター 市民公開講座として開催します!

総合司会: 高井美紀 MBS アナウンサー

開会挨拶 13:00-13:05 濱島 明美

認定NPO法人キャンサーネットジャパン

講演1 13:05-13:15

(10分)

杉本 直俊

大阪国際がんセンター 腫瘍内科 副部長

(ブルーリボンキャンペーンアンバサダー)

「大腸がんってどんな病気?」

講演2 13:15-13:45

(30分)

七條 智聖

大阪国際がんセンター 消化管内科

「大腸がんの内視鏡治療について」

講演3 13:45-14:15

(30分)

高橋 佑典

大阪国際がんセンター 消化器外科

「大腸がんの外科的治療について」

休憩 14:15-14:30

(15分)

休憩(質問票回収)
体験談 14:30-14:45

(15分)

厳嶋 久恵

「働きながらの大腸がん治療」

講演4 14:45-15:00

(15分)

岡本 亜樹

大阪国際がんセンター 相談支援センター

「大腸がん患者の就労支援について~実例を通して~」

講演5 15:00-15:30

(30分)

長谷川 晶子

大阪国際がんセンター 腫瘍内科

「大腸がんの化学療法について」

休憩 15:30-15:45

(15分)

休憩(質問票回収)
Q&A 15:45-16:25

(40分)

Q&Aトークセッション(会場からの質問票に答えます)

演者の先生方

閉会挨拶 16:25-16:30

(5分)

杉本 直俊

大阪国際がんセンター 腫瘍内科 副部長

(ブルーリボンキャンペーンアンバサダー)

 

当日は、大腸がんの検査・治療に使用する機器などのブース展示を予定しています!