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Patient’s Voice ~肺がん患者さんの声~

Patient’s Voice ~肺がん患者さんの声~

肺がん体験をされた方が、診断時・治療中や治療後に何を思っていたのか、ご自身の体験を語っていただいた情報を掲載しています。

Patient’s Voice ~患者さんの声①~

医師や看護師の献身的なサポートに勇気づけられました

 検診でⅠB期のがんが見つかり手術。がんを摘出できて喜んだのも束の間、病理検査でリンパ節への転移が判明し、ⅢBにステージが上がりました。奈落の底に突き落とされたようなショックを受けました。しかし、担当医がよいことも悪いことも、今後起こり得ることをすべて丁寧に教えてくれたおかげで見通しがわかり、その後の抗がん剤治療の副作用も受け入れられたし、心が平安でいられました。
 また、抗がん剤の副作用による便秘で苦しんだとき、看護師さんが便を掻き出してくれたのですが、「私の仕事ですから」と、こちらを安心させる穏やかな言動でテキパキと処置してくれて、スタッフの対応1つひとつに『一緒に闘いますよ』という力強いメッセージを感じました。がんを生きるのはつらいことばかりではない。多くの人に支えられ、学ぶこともたくさんあります。
(68歳男性・診断から2年目)

Patient’s Voice ~患者さんの声②~

抗がん剤治療を受けながら、友人や家族と旅行にも出かけています

 見つかったときはⅣ期で、厳しい現実を受け入れるまでには多くの葛藤がありました。揺れ動く気持ちを支えてくれたのは、周りの人たちです。
 これまでにさまざまな抗がん剤治療を受けてきましたが、妻は私の体調や食事に気を遣い、わからないことはすぐに担当医に相談し、一緒に病気と闘ってくれています。治療を受けるたびに検査結果に一喜一憂し、診察の前日は眠れないこともあります。でも、同じようにがんと闘っている長年の友人が近くに住んでいて、その人とは不安な気持ちも隠し立てせずに話せて、慰め励まし合えます。私は家族や友人に恵まれているのです。
 いずれの治療も通院で済んだので日常生活を制限されず、幼なじみの家族と海外旅行に行くこともできました。今も家族旅行や孫の運動会を楽しんでいます。
(69歳男性・診断から3年目)

Patient’s Voice ~患者さんの声③~

将来の楽しみを書き出すことで自分の気持ちを上向かせました

 ⅢB期のがんが見つかり抗がん剤を6クール、放射線療法を30回しました。さらに体力が回復してから大量の抗がん剤を投与しました。そのときは痛みで体が固まるほどでした。
 泣きたくなるような痛みの日は、とにかく楽しいことを考えました。元気になったら釣りに行こうとか、庭に駐車場を造ろうとか、将来の楽しみを毎日、日記に書きました。また、じっとしているより動いたほうがよいと思い、増設を計画していた駐車場の図面を描き、必要な材料を買い揃え、自分でコンクリートを練って作業を開始しました。そうすることで気も紛れたし、毎日体を動かして限界を少しずつ伸ばしていくことで、痛みも減っていきました。
 あきらめず、マイナス思考に持って行かず、楽しいことばかり考えたら細胞も元気が出ると私は思っているんです。幸いがん細胞は消滅し、9か月ぶりに職場復帰できることになりました。
(48歳男性・診断から1年目)

Patient’s Voice ~患者さんの声④~

手術でがんを取りきれなくても、抗がん剤治療で元気に過ごしています

 がんが見つかったとき、がんごと左の肺を全部取って治す覚悟でしたが、手術では取りきれませんでした。落ち込む私を勇気づけてくれたのは術後に聞いた外科医の説明です。手術以外にいろいろな治療法があることに安心できたし、医師がこんなに一生懸命治そうとしてくれているのだから、私もそれに応えて頑張らなくてはという気持ちになりました。
 現在は腫瘍内科に移り、抗がん剤治療をしてもらっています。治療の経過はよく、グランドゴルフの仲間に「本当にがんなの?」と聞かれるのが何よりも嬉しい。がんと闘うには、一緒に頑張ってくれている担当医を信頼することが大事で、「絶対に負けない」という気持ちが一番の支えになると思います。だから、私は診察室に入るときも、元気いっぱい「こんにちは!」と明るく振る舞うことをモットーにしているんです。
(71歳男性・診断から2年目)

Patient’s Voice ~患者さんの声⑤~

めそめそしても笑っても1日は同じと、気持ちを前向きに切り替えました

 がんとわかったときは「タバコも吸わない私がどうして?」と、3日間泣き明かしました。夫と長男がすでに他界していたので、娘のためにも何としても生きなければと思う一方、1人でいることが不安で、とくに夜が怖くてたまりませんでした。
 でも同じ1日ならめそめそするより、笑って生きようと決めて、副作用のつらさも乗り越えました。その後、偶然見つかった脳転移も放射線療法で消滅、今はリンパ節に転移があって抗がん剤治療中ですが、「絶対に治す」という強い気持ちでいます。
 1人でいると気持ちが沈むこともあるから、毎日人と会って話して笑うことで自分自身を励ましています。私の母は91歳で今も農業をしながら元気でいます。母のためにも「がんでは死なない、死ぬとしたらそれは私の寿命だから」と、娘にも言っているんです。
(66歳女性・診断から3年目)

参考資料

もっと知ってほしい肺がんのこと 2017年版,pp.7,9,11,13,16

公開日:2022年1月21日 最終更新日:2022年1月21日

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