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原発性マクログロブリン血症の再発・再燃

Q.再発・再燃とはどのような状態になることですか

A.原発性マクログロブリン血症の治療によって消失した症状が、再び出現することです。再発・再燃時は、初回治療終了からの期間と個々の患者さんの状態に合わせて薬物療法を選択します。


 再発・再燃治療が必要になるのは、図表5(「原発性マクログロブリンの治療開始タイミング」参照) のような症状が再び出現したときです。再発 ・再燃の治療では、図表8(「原発性マクログロブリンの薬物療法」参照)の7種類の薬物療法のいずれか、あるいは代謝拮抗薬のフルダラビンの点滴投与を行います。過粘稠度症候群を起こした場合には速やかに血漿交換を実施し、薬物療法を開始します。

 再発・再燃治療としてどの薬物療法を選択するかは、初回治療の奏効期間が短い早期再発なのか、奏効期間と無治療期間が長く(おおむね2年以上)続いた晩期再発かによって異なります。早期再発の場合は初回治療とは異なる薬物療法が適していますが、晩期再発なら初回治療と同じ薬物療法も選択肢です。

 ただし、再発・再燃時にどの薬物療法が最も効果や安全性が高いのかはわかっていません。

 再発・再燃時においても年齢、社会的な要素、合併症、腫瘍側の因子、経済力、価値観などを考慮し、医療者と話し合いながら治療法を選択するSDMが大切です。臨床試験への参加も選択肢になりますし、自家造血幹細胞移植(下コラム)の実施が検討されることもあります。

 再発・再燃治療によって症状が消失し、その状態を維持できる人も少なくありません。
 不安やつらい症状があったら一人で抱え込まずに担当医や看護師、医療ソーシャルワーカーなどに伝えましょう。

※一般的には、完全奏効に到達していた症例が増悪した場合を「再発」、完全奏効に至らなかった症例が増悪した場合を「再燃」と呼びます。

原発性マクログロブリン血症の造血幹細胞移植

 造血幹細胞移植は、大量化学療法や全身放射線療法で体の中のがん細胞を減らした後、患者本人またはドナーから事前に採取した造血幹細胞を輸注し、血液をつくる機能を回復させる治療法です。

 原発性マクログロブリン血症に対しては、再発・再燃時、あるいはほかの治療の効果がなくなったとき、形質転換が起こったときに自家造血幹細胞移植(自家移植)をすることがあります。自家移植では大量化学療法によってがん細胞を最小限に減らした後、あらかじめ採取・凍結しておいた患者自身の末梢血幹細胞を輸注します。

 高い効果が期待できる半面、大量化学療法によって吐き気・嘔吐、脱毛、下痢、口内炎、食欲不振などの強い副作用が出たり、心臓、肝臓、腎臓、中 枢神経などに重大な機能障害が起こったりするリスクの高い治療です。造血幹細胞移植をするかどうかは、年齢、全身と臓器の状態、本人の希望などによって慎重に判断されます。

治療・療養を支える専門家

参考資料

もっと知ってほしい原発性マクログロブリン血症のこと 2025年版, p.18-19

BOOKLET原発性マクログロブリン血症に関する冊子