NPO法人キャンサーネットジャパン > がん情報 > 卵巣がん > 卵巣がんの手術後の変化

卵巣がんの手術後の変化

Q.手術後、体にはどのような変化が現れますか

A.手術による後遺症として腸閉塞が、卵巣や子宮、リンパ節を切除することによって更年期様症状や排便・排尿障害、リンパ浮腫などが起こることがあります。


 手術の後遺症として、多くの患者さんに腸閉塞(イレウス)が起こることがわかっています。決め手となる予防法や対処法はありませんが、退院時に医師や栄養士から腸を守るための食事指導が行われます。腸閉塞をできるだけ起こさないようにするには定期的に経過観察を受けることが大切です。
 一方、閉経前の女性が卵巣を摘出すると、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が低下し、更年期のような症状が現れたり、腟からの分泌物が減少したりすることがあります。これを「卵巣欠落症状」といいます。ホルモン補充療法や漢方薬治療が行われていますので、担当医に相談してみましょう。
 また、子宮周囲組織を大きく切除した場合は排尿や排便障害が起こることがあります。排尿障害の場合は尿道から膀胱に管を挿入し、尿を体外に排出する処置が必要になることもあります。
 排便障害の場合は下剤などでコントロールします。腫瘍減量術を行った場合には、腸管切除に伴って人工肛門が必要となる場合もあります。
 さらにリンパ節を切除すると、足がむくむリンパ浮腫が起こることもあります。確実な予防法はないものの、マッサージ、圧迫法、運動療法やスキンケアなどの対策が進んでいます。手術後どのような後遺症が現れる可能性があるのか、その具体的な対策についても手術前に確認しておきたいものです。

手術に伴って起こる主な体の変化
手術以外の治療法は?

◆化学療法

 抗がん剤を投与する薬物療法のことです。感染症など、ほかの病気の治療でも使われる言葉ですが、一般的に化学療法といえば、がん化学療法を指すことが多く、卵巣がんでは手術後の基本的な治療法です。

◆放射線療法

 X線などの放射線を用いた治療法で、手術、薬物療法と並ぶ三大療法です。卵巣がんでは手術後の治療法として薬物療法のほうが効果が高く、再発時の症状緩和や脳に転移した場合など限られた症例にのみ行われています。

◆免疫療法

 抗がん剤治療後に増悪した進行・再発がんで、組織検査により高頻度マイクロサテライト不安定性(MSIHigh)があると明らかになった場合に免疫チェックポイント阻害薬のPD-1阻害薬ペムブロリズマブが使われます。

◆緩和ケア

 がんによって生じる体と心のつらさ、社会生活上の支障に対して、患者さんだけでなく家族を含めて支える医療のこと。治療早期から緩和ケアを導入することで、患者さんのつらい状況を和らげながら治療を行います。

参考資料

もっと知ってほしい卵巣がんのこと 2021年版,pp.12

公開日:2022年1月21日 最終更新日:2022年1月21日

BOOKLET
卵巣がんの手術後の変化に関する冊子