治療中~治療後のフォローアップ
セカンドオピニオン/治療選択支援
診断や治療に疑問や不安を感じたときには、まずは主治医に相談しましょう。その上でセカンド・オピニオンを利用する方法もあります。 セカンド・オピニオンとは、より納得して治療を受けるために、他の医師に第2の意見を聞くことです。主治医から診断情報提供書や画像データをセカンド・オピニオン先に送ってもらいます。セカンド・オピニオンを受けた後には結果を踏まえて主治医と再度話し合うことが大切です。最近では、電話やオンラインによるセカンド・オピニオンが可能な医療機関もありますので、まずは近くの小児がん拠点病院や連携病院の窓口に相談をするのがおすすめです。セカンド・オピニオンを受ける前に、知りたいこと、聞きたいことをリストアップしておきましょう。
支援療法・緩和ケア
支持療法は、がんや治療がもたらす副作用・ 合併症、後遺症を治療したり、予防したりするために行います。吐き気・嘔吐を予防するための制吐剤、感染症を予防するための抗菌剤や抗ウイルス剤などが挙げられます。輸血も大事な支持療法の一つです。
緩和ケアは、患者の身体的・心理的苦痛を緩和するために行います。抗がん剤や放射線治療による副作用の予防や症状の緩和、がんによる痛みの緩和などが挙げられます。治療の初期から段階に応じて必要な緩和ケアを行うことが大切です。
院内学級からのお便り
院内学級には、学習支援以外にも、ほかの子どもたちとともに活動することで社会性を身に着けるという大切な役割があります。小学生から高校生まで一緒に活動することもあれば、休み時間には学年を超えて一緒に遊ぶ姿が見られることも。病気の子どもたちには、できないこともありますが、主治医を始めいろいろな大人との出会いなど、彼らならではの経験があります。なによりつらい治療や晩期合併症などを経験していく子どもたちには、社会に出てもさまざまな壁を乗り越えていく強さを感じます。
無菌室での生活
造血幹細胞移植など免疫機能が著しく低下する治療を行った後には、感染を防ぐため無菌室で過ごします。病状や経過によっても異なりま すが、約1ヶ月程度です。無菌室は空気感染を防ぐための部屋なので、ほこりがついているかもしれないぬいぐるみは持ち込まない、毎日シャワーを浴びるなど患児自身でも気を付ける必要があります。しかしながら、無菌室でも、おもちゃで遊んだり、勉強したり、いつも通りに過ごすことが可能です。
また、無菌室での食事は加熱したものが前提で、生ものは原則食べられません。持ち込み食は各医療機関で規定が異なるため、確認してください。治療の影響で食事がうまく取れない場合には、主治医と相談して、患児が食べられるものを食べさせましょう。免疫抑制剤などを使用している場合は、グレープフルーツなど一部食品を避ける必要があります。
教育や復学のこと
子どもたちにとって、学びの機会と継続は大切なことです。がん対策基本法にも治療と学習の両立が謳われています。小児がん拠点病院などの専門医療機関で治療を行うメリットの一つに、院内学級があります。院内学級へ転入・編入することで長期欠席にならずに済むだけでなく、退院後に学習に遅れることなく復学できたり、入院前に近い日常生活を送ることで心理的な安定を得られたりします。一方、院内学級への転学ではなく、在籍校に籍を置いたまま学びを継続するなど、患児一人ひとりの状況に応じた支援が望まれています。近年は、オンラインによる学習の継続も期待されます。退院が近くなると、元々在籍していた学校の先生、院内学級の先生、主治医や看護師、医療ソーシャルワーカーやリハビリ職などが集まって復学支援カンファレンスを行います。活動制限の有無や感染症対策など学校生活の中で配慮すべきことを学校側に伝え、患児が安心して学校生活を再開できるようサポートします。教育や復学のことで心配なことがある場合には、医療ソーシャルワーカーも心強い相談窓口です。
退院支援
就学後の子どもへの復学支援は大切な退院支援の一つですが、就学前の子どもであれば保育園や幼稚園と連携しながら、退院後の生活をサポートします。また、小児がんでは、治療の影響で長期的な合併症が残ることもあります。在宅医や訪問看護ステーション、行政などの地域のさまざまな社会資源と連携し、在宅医療体制を整えることが大切です。退院後の生活がスムーズに行えるよう、医療ソーシャルワーカーが窓口となって、患児・家族/ケアギバーへとつなぎます。
リハビリテーション
小児がんでは、子どもの症状や発達段階に合わせて、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などのリハビリ職が、それぞれの専門性を活かして、主治医や看護師らの医療者と連携しながら、必要なリハビリを行っていきます。がんや治療の影響で生じる晩期合併症だけでなく、長期入院で失われがちな運動・認知・言語能力などの機能の回復・維持・低下予防に、リハビリテーションは欠かせません。病気がある中でも、子どもがやりたいこと、望むことをキャッチして、実現へ向けてサポートするのもリハビリ職の大切な役割の一つです。
長期フォローアップ
晩期合併症は、治療から時間が経ってから、腫瘍そのものや治療などの影響によって生じる合併症(障害)のことです。成長や発達への影響から二次がんまでさまざまな合併症が考えられます。たとえ自覚症状がなくても、予防と早期発見が大切です。見逃さないためにも、長期フォローアップとして定期検診を受けましょう。長期フォローアップ外来のある医療機関も出てきましたが、身近にあるとは限りません。内分泌障害なら内科、不妊症なら産婦人科や泌尿器科というように、症状に応じた診療科を受診することになります。そこで、最初の診断からその後の治療経過をまとめて記録しておくことがおすすめです。がん治療の主治医に相談して、「治療サマリー(まとめ)」を作成してもらいましょう。フォローアップを担当する医療者だけでなく、どのような治療を受けたのか、どのような治療経過をたどったのか、小児がん経験者自身が病気を理解して自身の健康を管理することに役立ちます。
参考資料
もっと知ってほしい小児がんのこと 2022年版,p.14-16





