小児がんとAYA(Adolescent and Young Adult)世代
日本には10数万人の小児がん経験者がおり、AYA世代(15~39歳の思春期・若年成人)を迎えます。就学、進学、就職、アルバイト、恋愛・結婚、妊娠・出産など、さまざまなライフイベントが重なる、小児とAYA世代 のがん患者・経験者には、たくさんの共通点があります。これらのライフイベントに伴い、いろいろな不安や悩みが生じるため、周囲のサポートが求められます。
妊孕性温存のこと
とりわけ、妊孕性※は、小児がん・AYA世代に共通する切実なテーマです。妊孕性を温存するかどうか、意思決定支援が重要になります。小児がんにおいては、親/ケアギバーが治療選択のキーパーソンであることも多く、目の前の治療が優先で、将来の妊孕性のことまではとても考えられないかもしれません。また、子どもに妊孕性のことを伝えることにためらいを覚える方もいるかもしれません。
子どもが将来の妊孕性について正しく理解するためにも、幼い頃からの性教育がおすすめです。恥ずかしさが生じる就学前から性について会話をする関係性や習慣を築いておけば、親/ケアギバー側の恥ずかしさやためらいも軽減されます。いつから始めても遅くはありません。思春期の子どもには、性に関して正しい知識を得るための本やサイト、動画などの情報提供をしたり、主治医や看護師、チャイルド・ライフ・スペシャリスト(CLS)や子ども療養支援士などの専門職の力を借りたりして、性のこと、ひいては妊孕性への理解を促しましょう。
妊孕性温存療法に対する43歳未満への助成も始まりましたが、妊孕性温存を行うことだけがゴールではありません。納得のいく選択のためには、よく話し合うことが大切です。日本がん・生殖医療学会では、里親・養子縁組支援部会を立ち上げて、新しい家族の形を作ることができるよう取り組みを続けており、里親・養子縁組という選択もあることを紹介しています。
※妊孕性
女性にも男性にもかかわることで、妊娠に必要な卵子や精子、生殖にかかわる臓器やその機能の「妊娠するための力」のこと
参考資料
もっと知ってほしい小児がんのこと 2022年版,p.17





