NPO法人キャンサーネットジャパン > がん情報 > すい臓がん > すい臓がんの治療

すい臓がんの治療

Q.すい臓がんでは、どのような治療が行われるのですか

A.すい臓がんの治療には、手術、薬物療法(化学療法)、化学放射線療法があります。治療法は病期やがんの広がり方、患者さん本人の希望、全身状態、年齢などによって決まります。


 すい臓がんでは、手術と抗がん薬を上手に組み合わせた治療が必要です。手術でがんをすべて取り除ければ治癒する可能性が高くなります。手術ができるかどうかは、病期、がんの広がり方、リンパ節やほかの臓器への転移の有無、患者さん自身の希望や全身状態、年齢などによって総合的に判断されます。

 0期の場合は、手術だけで十分ですが、術後も注意深い定期検査が必要です。
 Ⅰ期、Ⅱ期で「切除可能」と診断された人は、薬物療法を行った後、手術でがんとその周囲を取り除き、体の中に残っているかもしれない微小ながん細胞をたたくために術後も薬物療法を受けるのが標準治療です。

  Ⅱ期、Ⅲ期で、「切除可能境界」と判断された場合には、薬物療法か化学放射線療法を行った後、再評価を行い、手術でがんが取り切れるくらい縮小した場合には手術と術後化学療法を行います。再評価した際、がんの大きさが変わらないか大きくなった場合には、薬物療法による治療を続けます。最初に薬物療法のみを実施した場合には、放射線療法を併用することもあります。

  Ⅲ期で切除ができないと診断された人など、病変がすい臓周辺にとどまっている局所進行がんの場合は、化学放射線療法または薬物療法を行います。これまでの臨床試験の結果では、効果は同程度と考えられるため、1~2週間ごとの通院で治療が受けられる薬物療法を選ぶ患者さんが多い傾向があります。

 Ⅳ期では薬物療法を実施します。最近は薬物療法の効果が上がっているため、Ⅲ期やⅣ期であっても、化学療法、化学放射線療法を実施した後に、手術が可能になる場合もあります(図表5)。

すい臓がんの治療の流れ

 これらの標準治療は、国内外の複数の臨床試験の結果をもとに専門家の間で検討され合意が得られている、現時点で最も効果が高い最善の治療法です。すい臓がんの治療については、日本膵臓学会が、「膵癌診療ガイドライン」を作成し標準化しています。

 すい臓がんでは、診断時、治療中、あるいは治療後に黄疸、腹部の痛み、栄養障害などの症状が出る場合があります。そういった症状の改善やコントロールを行う治療(すい臓がんの痛み、黄疸、栄養障害改善)は、患者さん本人がこれまで通りの生活を続け、手術、薬物療法をスムーズに進めるうえでも大切です。

参考資料

もっと知ってほしいすい臓がんのこと 2023年版,pp.7

公開日:2022年1月21日 最終更新日:2023年2月15日

BOOKLETすい臓がんの治療に関する冊子