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Patient’s Voice ~前立腺がん患者さんの声~

Patient’s Voice ~前立腺がん患者さんの声~

前立腺がん体験をされた方が、診断時・治療中や治療後に何を思っていたのか、ご自身の体験を語っていただいた情報を掲載しています。

Patient’s Voice ~患者さんの声①~

家族のサポートで安心して病気に向き合えました

 前立腺がんが見つかったのは72歳のとき。前立腺肥大症から腎不全になり、精密検査を受けたのがきっかけでした。PSA検査の数値は20ng/ml。前立腺生検の結果、がんと確定しました。私はインターネットが使えず、病気についてまったくわからなか
ったのですが、娘が診察に同行し、詳しく調べて教えてくれたので、安心して治療を受けることができました。
 治療法としては、腎不全のために留置した尿管のカテーテルを外したいという望みもかけて、前立腺の全摘除術を選択。結果、カテーテルを外せたうえ、病気になる前から行っていた中学生への野球の指導も続けられて、自分が選んだ治療に満足しています。
 私は風邪さえひかない健康体だったので、自分の体を過信して、定年後は健康診断を受けていませんでした。いくつになっても定期検診は大切だと伝えたいです。
(73歳・診断から2年目)

Patient’s Voice ~患者さんの声②~

医師に遠慮することなくセカンドオピニオンを利用して

 排尿時の尿線の細さと頻尿が気になり泌尿器科へ。検査の結果、PSA値は147ng/ml、グリーソン・スコアは9、皮膜外浸潤もあり、手術は困難と診断されました。
 納得できずに受けたセカンドオピニオンでは、5年生存率は2割といわれました。途方に暮れながらも、連日インターネットで情報を集め、泌尿器科医と放射線科医による「前立腺がん専門外来」を見つけ、サードオピニオンに。ホルモン療法+放射線療法(IMRT)なら根治率50%といわれ、その違いに驚きましたが、結局、そこで治療を受けることにしました。
 前立腺がん治療にセカンドオピニオンは必須。放射線科医にも意見を聞くほうがよいでしょう。医師への遠慮は無用です。
 私は7年目にPSA値が再発ラインを超え、現在はまた投薬治療を受けています。気に病むような副作用はなく、健康な人と変わらない日常を送っています。
(65歳・診断から9年目)

前立腺がん患者さんの声1
Patient’s Voice ~患者さんの声③~

尿もれは1か月半、性機能障害は半年から1年で回復へ向かう

 人間ドックがきっかけで、41歳のときに前立腺がんが見つかりました。この若さでと驚きましたが、父も前立腺がんで、ある程度知識があり、少しは冷静に対応できました。
 小学生の娘には詳しく話しませんでしたが、妻には前立腺がんの本を渡して読んでもらいました。病気について共通理解を図ったので、妻が不安を抱えたまま一人取り残されずにすんだのではないかと思っています。
 年齢や再発時の治療を考慮して、全摘除術(勃起神経温存)を選択。手術の後遺症で尿失禁や性機能障害があるとの担当医からの説明を妻と一緒に受けました。
 職場には術後1か月ほどで復帰しました。しばらくは尿もれパッドを付けていましたが、サポートタイプの下着でパッドがずれず、膨らまないように工夫したので、心配することなくスーツを着て仕事ができました。不安だった尿もれは1か月半ほどで改善。性機能障害は半年から1年ほどで徐々に回復に向かいました。
(43歳・診断から2年目)

Patient’s Voice ~患者さんの声④~

大きな不安の中、医師の丁寧な対応と説明に救われました

 49歳のときに告知されました。10年前から排尿しにくい感じがあり、定期的にPSA検査を受けていました。数値は少し高いものの、「40代前半でがんの可能性はほとんどない」と言われて安心していたので、告知されたときは大きな衝撃でした。
 医師からは、その日のうちに手術か放射線療法かの選択を迫られ、戸惑うばかり。母や妹には心配をかけたくないので相談できず、唯一話せたのは医師でもある親友だけでした。彼に背中を押されて受けたセカンドオピニオンで運命が変わりました。その医師の詳細な説明と丁寧な対応に心底ホッとし、再検査の結果、PSA監視療法を提案されました。まだ40代、できれば性機能は残したかったので、安心して思わず涙がこぼれました。
 それから約4年、3か月に1回の検査で、PSA値を見ながら経過観察を続けています。日々の生活を見直し、食事療法や代替療法も取り入れながら療養中です。
(54歳・診断から5年目)

Patient’s Voice ~患者さんの声⑤~

診察のときはメモを取り、貴重な診察時間を有効に!

 58歳のときにステージB2の前立腺がんが見つかり、ホルモン療法で腫瘍を小さくした後、全摘除術を受けました。
 術後の経過は良好でしたが、下がっていたPSA値が微増してきて、約1年後に再発。初発のときは知識がなく、がんという言葉の重さと恐怖に押しつぶされそうでしたが、再発のときは勉強して知識を得ていたので、冷静に対策を考えることができました。病気と向き合ううえでは、偏りのない正しい情報を知ることが大切だと実感しています。
 再発後の治療として内分泌療法を受けましたが、次第に効きにくくなり、3年半ほどで終了。その後は放射線療法を受け、無治療となって8年間再発していません。
 私が診察のときに心がけていたのは、必ずメモを取ること。聞きたいことは、短い時間で確実な答えをもらえるように質問の仕方をあらかじめ考えておき、貴重な診察時間を有効に使っていました。
(71歳・診断から14年目)

参考資料

もっと知ってほしい前立腺がんのこと 2018年版,pp.6,8,15,16,18

公開日:2022年1月21日 最終更新日:2022年1月21日

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