前立腺がんとは
Q.前立腺がんとはどのような病気ですか
A. 精液の一部をつくる男性生殖器である「前立腺」に発生するがんです。
近年急増しており、男性では罹患者数が最も多いがんです。
前立腺は男性生殖器の一部で、膀胱のすぐ下にある栗の実の形をした臓器です(図表1)。尿道を取り囲むように位置しており、ここで精液の一部がつくられます。この前立腺に発生する悪性腫瘍が前立腺がんです(図表2)。
世界全体でみると、前立腺がんは男性のがんの13.5%を占めており、すべてのがんの中で2番目の多さです(2018年)。日本でも、近年患者数が急増しています。2010年には男性のがんの4位(全国がん罹患数・罹患率推計値)でしたが、2021年には1位(全国がん登録罹患データ)になっています。
前立腺がんは加齢に伴って罹患率が上昇し、70代後半から80代前半が発症のピークです。そのため、典型的な高齢者のがんといえます。しかし、最近は50代の患者が増え、まれに30代や40代での発症もみられます。
罹患率上昇の原因としては高齢化の進行とともに食習慣の欧米化が挙げられます。特に若年患者の増加は食事との関連性が高いと考えられています。また、前立腺がんの発症、特に若年での発症には家族歴も関連します。
父親か兄弟の1人が前立腺がんである場合、罹患率は2倍に、祖父やおじまで含めた近親者のうち2人が前立腺がんに罹患していれば、罹患率は4倍になるといわれています。高いリスクを有する人は、若いときから検診を受けることが勧められています。
ほかの多くのがんと同じく、前立腺がんも早期には目立った症状はありません。そのため発見が遅れがちでしたが、簡単で精度の高いPSA(前立腺特異抗原)検査(「前立腺がんの検査と診断」参照)が開発されてから、ごく早い段階で発見されるようになりました。早期に発見すれば、前立腺がんは根治が可能です。
ただし、早期であっても尿が出にくい、排尿の回数が多いなどの症状が出ることもあります。また、進行すると、排尿の症状に加えて、血尿や排尿痛、骨への転移による腰痛などがみられることがあります。気になる症状がある場合には、早めに泌尿器科を受診する
参考資料
もっと知ってほしい前立腺がんのこと 2026年版, p.4


