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胃がんのケア

治療や療養を支える多くの専門家がいます

医療機関や地域には、あなたの治療だけでなく、療養生活を支える多くの専門家がいます。これらの専門家はすべての医療機関や地域に配置されているわけではありませんが、必要に応じて紹介してもらえることもあります。気になることがあればなるべく早い段階で相談すると良いでしょう。


治療や診断について知りたい

 胃がんの治療では消化器病専門医や消化器外科専門医、消化器内視鏡専門医などの専門医に相談しましょう。これらの専門医は、各学会において必要な知識や技術を修得していると認定された医師です。

 病棟や外来の看護師も相談に応じてくれます。がん看護専門看護師、がん薬物療法看護認定看護師、がん放射線療法看護認定看護師、手術看護認定看護師などの資格を持つ看護師が在籍している場合もあります。医師や看護師に直接話しにくい時には、医療相談室や医療ソーシャルワーカーなどに相談するとよいでしょう。

 複数の診療科が連携して診断・治療を行う体制を整えた「日本胃癌学会認定施設」では、より専門性の高い診断・治療が受けられます(施設にはAとBのカテゴリーがあり、Aのほうが厳格な認定基準を満たしています)。

臨床試験について知りたい

 新しい治療法の有効性や安全性を調べるために行われるのが臨床試験です。使用する薬や医療機器について国の承認を得ることを目的としたものを「治験」と呼びます。標準治療の継続が難しい場合、臨床試験への参加も選択肢になりますが、未知の副作用などリスクもあります。参加できる臨床試験を知りたい場合は、まずは担当医に尋ねましょう。がん情報サービス(下)のサイトや、厚生労働省の「臨床研究情報ポータルサイト」などでも調べられます。

胃を手術した後の食生活が不安

 胃を切除したあとは、不快なダンピングの症状(「胃がんの手術療法」ページ参照)や体重減少を抑えるため、食べ方の工夫や、きめ細かい栄養管理などが必要になります。また薬物療法の場合も、吐き気や食欲不振が問題になることがあります。多くの病院では、担当医の指示にもとづき管理栄養士が患者さんにアドバイスをする栄養相談窓口が設けられています。がん患者の栄養管理についての専門知識を持つがん病態栄養専門管理栄養士がいる病院もありますので、サポートを受けるとよいでしょう。このシリーズの「もっと知ってほしいがんと栄養のこと」も参考にしてください。
もっと知ってほしいがんと栄養のこと

痛みが強い、精神的に苦しい

 がんそのもの、あるいは治療に伴う痛み、精神的なつらさに対応する緩和ケアは、診断後の早い段階から受けることができます。

 緩和ケア医、看護師、薬剤師、管理栄養士、リハビリ職などで構成される緩和ケアチームが相談に応じます。また、緩和ケア認定看護師という専門資格を持つ看護師もいます。

 退院後は緩和ケア外来が、在宅医療では 在宅医や地域の在宅緩和ケアチームが緩和ケアを担当します。ペインクリニックに所属する麻酔科医も痛みの専門家です。薬の副作用、鎮痛薬などについては担当医や薬剤師に相談してください。

不眠が続く、気分の落ち込みがひどい

 不安や気持ちの落ち込み、不眠、食欲不振などが続く場合には、担当医に相談するか、精神腫瘍医、精神科医、心療内科医の診察を受けましょう。公認心理師や精神看護専門看護師も心理的ケアを担当しています。

経済的に心配なので相談したい

 治療費や生活費の問題で不安があるときには、受診している病院の医療相談室、または近くのがん診療連携拠点病院などに設置されているがん相談支援センターに相談しましょう。

 なお、公的医療保険には、高額な治療費の自己負担を軽減する高額療養費制度があります。マイナンバーカードを保険証とする「マイナ保険証」を使えば、窓口での支払いが自己負担限度額の範囲内で済みます。 12か月間で3回以上、高額療養費の対象になった場合は、4回目から「多数回該当」となり自己負担額がより軽減されます。

治療と仕事の両立を相談したい

 病院の医療相談室や、がん診療連携拠点病院にあるがん相談支援センターでは、医療ソーシャルワーカーや社会保険労務士などに相談できます。また、がん治療と仕事の両立を支援する両立支援コーディネーターが配置されている病院も増えており、院内と職場の情報共有のサポートなどを行っています。休職後の復帰、転職、再就職について支援を受けることができるほか、転院や在宅医療に関する相談や支援も受けられます。

ピアサポーターや患者支援団体も頼りになります

 同じ病気や障害などを経験した人同士が支え合う活動をピアサポートといいます。「ピア(peer)」とは英語で「仲間」「同輩」「対等の人」を意味します。

 ピアサポートの場では、病気や生活に関する情報、悩みや不安を共有することで、家族や医療・福祉関係者からの支援とは異なるサポートを得ることができます。

 がんのピアサポートを行っている組織としては、がん種類別の患者支援団体、病院が公認して病院内で活動する患者さん主体のボランティアグループ、がんの種類を超えて、がん患者さんを支援する団体などがあります。患者・家族同士が交流できる「患者サロン」を開催している病院もあります。

 胃がんの患者会は全国にあり、特定の胃がんや手術後の患者さんを対象にしたグループもあります。日本胃癌学会や国立がん研究センターと協力して活動している団体もあります。患者会の情報は病院の相談室やがん相談支援センター、インターネットなどで得ることができます。

がんについての相談に関するサイト

国立がん研究センター がん情報サービス「制度やサービスを知る」
患者さんが使える制度、仕事や学校、お金に関する情報の入り口となるページです。
がん情報サービス「制度やサービスを知る」

国立がん研究センター がん情報サービス「がんの相談」「がん相談支援センター」とは
がん情報サービス「がん相談支援センター」とは

国立がん研究センター がん情報サービス「がん診療連携拠点病院などを探す」
がん診療連携拠点病院のがん相談支援センターでは、その病院にかかっていない患者さんも家族もさまざまな相談をすることができます。
がん情報サービス「がん診療連携拠点病院などを探す」

がん制度ドック
NPO法人がんと暮らしを考える会が運営しているウェブサイトで、患者さんの属性について質問に答えることで、利用できる可能性のある公的支援制度や民間保険を検索できます。
がん制度ドック

参考資料

もっと知ってほしい胃がんのこと 2026年版,p.23

公開日:2026年3月2日 最終更新日:2026年3月2日

BOOKLET胃がんのケアに関する冊子