子宮頸がんとは
子宮頸がんとは、どのような病気ですか
子宮頸がんは、主にヒトパピローマウイルスの持続感染により、子宮の入口付近(頸部)にできるがんです。通常、初期は無症状ですが、進行すると不正出血が現れます。
子宮は、中が空洞(子宮腔)の西洋梨のような形をしていて、胎児が宿るやや球形の体部(上方)と腟につながる細長い頸部(下方)からなります(図表1)。子宮頸がんは、子宮の入口にあたる外子宮口から頸部に発生するがんです。特に子宮頸部表面を覆う扁平上皮と円柱上皮(腺細胞)の境界(SCJ)付近に発生し、前者にできる扁平上皮がんと後者にできる腺がんに大別され、扁平上皮がんが約8割を占めます(図表2)。
子宮頸がんは女性なら誰でもかかる可能性のある病気で、30歳代後半~40歳代に多くみられます。
発症原因の多くは、性交渉などにより感染するヒトパピローマウイルス(HPV)です。通常は免疫系によって自然に排除されますが、うまく排除されず感染が続く(持続感染)ことで発症します。子宮頸がんの発生と関係が深いとされるハイリスクHPVは10数種類あります。持続感染により、扁平上皮がんでは、一部が異形成(前がん病変)となり、さらにその一部が軽度異形成(CIN 1)から中等度異形成(CIN 2)、高度異形成(CIN 3)へと進み、5〜10年の間にがん化するといわれています(図表3)。初期にはほとんど症状がなく、進行すると不正出血(月経時を除く)、性交時の接触出血、悪臭を伴う赤いおりもの、下腹部痛や腰痛、下肢のむくみなどが現れます。
「患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドライン 第3版」日本婦人科腫瘍学会編、金原出版などを参考に作成
参考資料
もっと知ってほしい子宮頸がんのこと 2024年版,p.4
公開日: 最終更新日: