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慢性リンパ性白血病の検査

Q.どのような検査で慢性リンパ性白血病と診断されるのですか

A.血液中のリンパ球の数と形態、細胞表面マーカー検査の結果によってCLLと診断されます。必要に応じて、骨髄検査やリンパ節生検、画像検査などを行うこともあります。


 確定診断に必須の検査は血液検査です。血液中の小型の成熟リンパ球の数が5000/µL以上の状態が少なくとも3か月以上続き、腫瘍細胞の表面にCD5、CD23などの抗原(細胞表面上の目印となるタンパク質)がみられた場合にCLLと診断されます。

 腫瘍細胞の表面の抗原は、血液検査で採取した末梢血を用いる細胞表面マーカー検査(フローサイトメトリー検査)によって調べます。細胞表面マーカー検査は、フローサイトメーターという機器を使って行います。

 CLLと診断された場合には、触診によって病期(進行度)を判断します。また、必要に応じて、骨髄検査やリンパ節生検、CT検査などを行います。リンパ節生検は、首やわきの下、足のつけ根のリンパ節などに腫れがあるときに、組織の一部を採取して、異常なB細胞の有無などを顕微鏡で調べる検査です。

 一方、治療方針を決めるために重要なのが染色体や遺伝子の検査です。CLLの場合、血液や骨髄液を用いて、それらの異常を確認します。ヒトには、23対46本の染色体があり、男女共通の常染色体には1~22番まで番号がついています。17番染色体(17p)の一部が欠失(欠如)している場合や、17p上に存在するTP53遺伝子の変異や欠失がある場合には、CLLの標準治療が効きにくいことがわかっています。染色体の状態は変化することがあるので、再発したときなどにも染色体・遺伝子検査を行います。

CLLの検査
骨髄検査とは

 局所麻酔の後、腸骨(骨盤、腰の骨)に骨髄穿刺針を刺し、骨髄液を採取する検査です。採取した骨髄液を用いて、そ
の中に含まれる細胞の数や種類、染色体、遺伝子を調べます。麻酔薬は骨の中までは届かないので、骨髄液を吸引するときに、一時的に痛みを感じます。
 場合によっては、生検針を使って骨髄組織を塊で採取し、病理標本にする骨髄生検を行うこともあります。

骨髄検査とは

参考資料

もっと知ってほしい慢性リンパ性白血病のこと 2021年版,pp.6

公開日:2022年6月8日 最終更新日:2022年6月8日

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