NPO法人キャンサーネットジャパン > FAQs > 血液がん > Q70: B細胞性のリンパ腫患者です。ワクチン接種しても抗体ができない可能性がある場合でも接種した方がいいのでしょうか。
50代・濾胞性リンパ腫・静岡県

Q:70
B細胞性のリンパ腫患者の場合、covid-19 のワクチン接種しても抗体ができない可能性があるという研究結果がイギリス、フランスで報告されました。ワクチンは接種した方がいいのでしょうか。
(患者・50代・濾胞性リンパ腫・静岡県)

A:
確かにB細胞リンパ腫の患者さんで、リツキシマブやオビヌツズマブなどの抗CD20抗体を含む治療を行っていると、ワクチンを接種しても、抗体価が上がりにくい、または上がらないという懸念があります。
新型コロナウイルスの場合、ワクチンを接種した際に、抗体価を確認する検査は通常行わないので、実際にこれを確認することはできないのですが、インフルエンザなど他の感染症に対するワクチンではそのようなことが研究で確認されています。

ただ、ワクチンの効果は抗体価が上がる(B細胞に対する効果)だけではなくT細胞に対する効果もあるといわれており、それには抗CD20抗体の影響は少ないと考えられています。
また、抗CD20抗体を含むリンパ腫に対する治療を行った方で、ワクチンの副反応が強くでるといったことはいわれていません。
ワクチンによって新型コロナウイルス感染症にかかったとしても発症しなかったり、重症化しなかったりということが期待されているので、抗CD20抗体を使った治療を受けた方でもワクチン接種を受ける意義はあると思います。

2021.3.22