再発への不安

再発が怖くてたまりません。ちょっとした発熱や頭痛も、すぐに再発に結びつけてしまいます。

「がん治療の不安や焦燥感は手術・治療後に始まった」と話す患者さんもいます。再発・転移がんについての情報が手軽に入手できるようになり、現代医学の限界が目につくこととも無関係ではないでしょう。しかし、一般化された情報と自分の状態を安易に重ね合わせることは禁物です。逆説的ですが、だからこそ「自分のがん治療」をより詳しく知ることが必要です。治療経過への理解を深めることで、再発・転移という不確実な可能性に振り回されることなく、今の時間をどう過ごすかという大切な課題と向き合うことができるようになります。

また、痛みがあると誰でも再発への不安がかき立てられてしまいます。痛みを感じたら我慢せずすぐに主治医に相談してください。

参考資料

  • 秋月伸哉 第Ⅱ章精神症状の評価とマネージメント1. がんの経過における正常反応と精神症状.:専門医のための精神科臨床リュミエール24. サイコオンコロジー,大西秀樹責任編集,pp.40-48,中山書店,東京,2010
  • 日経メディカル編集:がん患者さんの心と体の悩み解決ガイド,pp.92-95,pp.104-105,日経BP社,東京,2007
  • 明智龍男:がんとこころのケア,pp.67-71,日本放送出版協会,東京,2003
  • 大西秀樹:がん患者の心を救う―精神腫瘍医の現場から,pp.105-111,河出書房新社,東京,2008