セックスについて語ろう

パートナーがいる人は

セックスについては、長年連れ添ったカップルであれ、付き合い始めたばかりのカップルであれ、なかなか口にしづらいテーマです。フランクにセックスについて語り合ってこなかったカップルも多いことでしょう。でも、セックスは、生活の一部でありカップルにとって大事なコミュニケーション手段の一つです。「パートナーとスキンシップを楽しみたい」、あるいは、「自分は性欲が低下してしまったがパートナーは我慢しているのではないか」などと考えているのなら、思い切って、パートナーとセックスについて話してみましょう。

もちろん、精神的に余裕がないときに無理に話す必要はありませんが、パートナーが本当はどういうふうに考えているのかは、話してみないと分かりません。例えば、「がんのサバイバーの体験談を読んだのだけど、あなたがどう思っているのか知りたい」、「セックスはできないかもしれないけど、抱きしめられると安心する」などという形で、話を切り出す方法もあります。キャンサーネットジャパンが作成した動画「したい?する?~がんとセックス~ がんサバイバーのアヤカと恋人のユウキの、がんとセックスをめぐるお話」をパートナーと一緒に見て、自分たちについて話してみるのもよいかもしれません。

ただ、セックスについて話せるかどうかは、もともとの関係性にもよります。日常的に話をあまりしてこなかったのであれば、まずは会話をし、大事に思っていることを伝え、関係性を修復することから始める必要があります。

国際協力NGOジョイセフが2021年に実施した「性と恋愛2021―日本の若者のSRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス&ライツ:性と生殖に関する健康と権利)意識調査」では、どの年代でも、9割近い人が、女性がセックスについて語ることも男性がセックスについて語ることもタブー視していないことが分かっています。病気になる前にはお互いにどう思っているか話したことがなかったとしても、休みの日など気持ちと時間に余裕のあるときに、話してみるとよいのではないでしょうか。

仲間や医療関係者に話す方法も

近年、AYA世代のがんサバイバーの患者団体も増えてきています。性生活の話題もタブー視せず、サバイバーの仲間と語り合ってみてもよいのではないでしょうか。キャンサーネットジャパンが医療従事者を対象に実施した「がんと性」をテーマにしたセミナーには、予想以上に多くの医療従事者が参加し、がんのサバイバーをサポートする体制を整えようとしています。性生活についても困っていること、どうたらいいか分からないことなどがあったら、他の副作用のことと同じように、看護師やソーシャルワーカー、担当医などに話してみましょう。

参考資料

ジョイセフ「性と恋愛2021-日本の若者のSRHR意識調査」・性・セックスの意識