ストーマの性生活への影響

直腸がん、婦人科がん、膀胱がんなどの治療のためにストーマを造設すると、ボディイメージが変化し、身体的には性機能が保たれたとしても、心理的な面で性生活に大きな影響が出る場合があります。ストーマがあることで、自信を喪失したり、本当にセックスができるのか不安に思ったりすることもあるでしょう。しかし、ストーマを造設しても、女性らしさや男性らしさ、あなたらしさを失うことはありません。ストーマ造設後も、性生活を楽しむサバイバーも増えています。

ストーマのことを気にせずセックスを楽しむためには、①セックスの前にストーマケアをし、袋を交換しておく、②ストーマや袋を圧迫しないように体位を工夫する、③袋を装着しない状態での体位を工夫してみるといったことを試してみるとよいでしょう。ストーマが見えない不透明なパウチやパウチカバーなどを利用する方法もあります。また、においがもれるのが心配なら、ストーマ袋に防臭剤を入れたり防臭効果のあるパウチカバーを使ったりするとよいでしょう。

ストーマ造設後の性生活について心配や不安があったら、ストーマケア外来や身近な看護師などに相談する方法もあります。日本オストミー協会など、オストメイト(人工肛門、人工膀胱保有者)の社会復帰とQOL向上を目指している当事者団体に相談してみてもよいでしょう。

参考資料

・日本性科学会編集「性機能不全のカウセリングから治療まで セックス・セラピー入門」(金原出版)
公益社団法人日本オストミー協会