患者の皆さん、自分の今の体重を言えますか?がん治療には体重管理が重要なんです!岡山済生会総合病院 栄養科紹介!

2018年10月30日、岡山済生会病院 栄養科を訪問させていただきました。診療科の垣根が低く、薬剤師さん、化学療法室、がん相談支援センターなど、さまざまな部署と連携が取れていることはもちろん、転院先の施設とも連携をされています。患者さんの治療を支えるのは、体づくりだということが伝わってきます。

入院中の患者さんへ

現在は、多くの病院が個別食を出しているかと思いますが、岡山済生会総合病院でも、「さわやか食」と名付けて、患者さんの症状に合わせて個別対応をしています。

通院治療中のがん患者さんへ

栄養指導を受けられたことがある患者さんからの電話相談も受けていますし、がん相談支援センターや、化学療法室や薬剤師を通して、栄養相談を受けることもあります。

栄養指導は、30分単位で16枠設けています。栄養相談室の隣に看護外来室があり、相談内容が栄養部だけでは解決しないときは、トントンとお隣の看護外来室をノックして看護師にも同席してもらえる体制を取っています。体重が減少すると、予定されている治療が完結できないことがあります。そのため、体重管理はとても大事です。私たちは、体重が、治療に支障のでない体重の5%以内の減少で収まるよう、患者さんの体重だけでなく、筋肉量、握力も計測し、サルコペニアにならないよう気を付けています。
そのほかにも、いろんな患者さんの体験や工夫などの声を集めて、その内容をリーフレットにし、患者さんのさまざまな症状の参考になるよう伝達しています。

緩和ケア病棟でも食べることを楽しんでほしい!

緩和ケア病棟では、味覚異常がある患者さんには「さわやか食」以上の対応を心がけています。今、食べられるものを少しでも美味しく食べてもらえるよう工夫しています。
また、年に1度、病棟のラウンジでランチバイキングを開催しています。小さいサイズで、のど越しが良いものを複数用意し、患者さんに、何を取ろうか、目で楽しみ、味で楽しんでいただいています。病室から出ることで、場所も変わり、雰囲気も変わり、また、「夏まつり」として行ったバイキングでは、ご家族にも参加していただきました。屋台のような焼きそばコーナーでは、その場で焼きそばを焼き、焼けていく音や混ぜる音など、臨場感を感じてもらえるよう工夫しました。スタッフから患者さんへ手作りのメッセージカードもプレゼントしています。入院中も少しでも季節を感じいただけたらと思っています。

栄養補助食品(濃厚流動食)について

「効率的に太る会」と言って、病院内スタッフによる試食・試飲会をよく開催しています。やはり、自分が口にしたことがないものは、良い点も、そうでない点も伝えられないと思うんです。患者さんから「○○の味が甘すぎて苦手です」と言われたとしても、「じゃあ、●●なら、さっぱり味だから飲めると思いますよ!」と提案ができます。自信をもって進められるので、患者さんやご家族にも説得力が出るんだと思います。
美味しいものはついつい食べ過ぎたり、飲みすぎたりしてカロリーを摂ってしまうので「効率的に太る会」と呼んでいます(笑)

岡山済生会総合病院から転院後もサポートしています

転院先の病院や、施設に栄養管理情報を共有しています。施設に行かれる方にはケアマネージャーに、患者さんの情報を共有しています。岡山済生会総合病院を離れたあとも、その方が困らないように願っています。また、ご本人にも「転院後も、いつでも電話してくださいね」と声をかけています。