NPO法人キャンサーネットジャパン > COVID-19に関するがん患者と家族のためのQ&A

※ 新型コロナワクチン接種について不安がある場合、がん治療中、経過観察の方は主治医にご相談されることをお勧めします。それが難しいようでしたら、お近くのかかりつけ医へご相談ください。

新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、がん患者さんやご家族が不安なこと、特に気を付けたいこと、疑問、質問に対し、キャンサーネットジャパンの理事をはじめアドバイザリーボードメンバー、その他多くの医療関係者にご協力いただきお答えいただきました。
(※質問の受け付けは2022年4月30日をもって終了いたしました。)

※がんの治療中の方への接種は、新型コロナワクチン優先接種のひとつにあげられています。
(参照:日本癌治療学会,日本癌学会,日本臨床腫瘍学会(3学会合同作成)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とがん診療についてQ&A-患者さんと医療従事者向け ワクチン編 第1版)

「COVID-19に関するがん患者と家族のためのQ&A」質問と回答集

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Q105:海外では移植半年からコロナワクチン接種を推奨していると聞いたこともありますが、日本ではどうなのでしょうか。
40代・成人T細胞白血病・福岡県

Q.105

Q.104で質問をした者です。 かかりつけ医にワクチン接種を相談したところ会議にかけて頂き、総意として慢性GVHDの悪化の可能性があるとして接種延期を勧められました。 アメリカなどでは移植半年からコロナワクチン接種を推奨していると聞いたこともありますが、日本では慎重論の方が多いのでしょうか? 各県や、公立病院と民間病院との実績データのようなものがあればご教授いただきたく存じます。

(患者・40代・成人T細胞白血病・福岡県)

A.

COVID-19ワクチンの接種自体が「人類初」の試みで、まして造血幹細胞 移植患者への接種となると、確立された方針はまだありません。

地域性や病院間の違いというのは特になく、各施設とも患者さん毎に リスクとベネフィットをよく考えた上で、最後は本人に決めていただいていると思います。あくまで一般的にはワクチン接種を勧めるケースが多いと思われますが、 今回はちょっと注意すべき点があり、以下長くなりますが説明します。

ワクチン接種のベネフィットは、先日回答した通りです。 COVID-19への中和抗体ができて感染や重症化を抑制できる可能性があることですが、100%抑制できるとは限らず、一般の方に比べるとやや低い確率になります。

一方リスクについてです。 造血幹細胞移植患者さんでは、熱発や倦怠感といった一般的な副反応とは 別に考慮されることがあります。 ワクチンは一般に免疫システムに作用するので、造血幹細胞移植患者の状態に影響する可能性がありますが、よい方向に作用するのか悪い方向に作用するか、まだ分かりません。 これは母数が少ないことと各患者さんの状態が違うことに基づくもので、 まとまったデータは今後すぐには出てこないと見込まれます。

造血幹細胞移植後患者に対するCOVID-19ワクチン接種後にGVHDが発症ないし増悪した例があるという報告が、少数ですがあります。 海外からの報告になりますが、GVHDのない患者さんでは10%未満、 もともとGVHDがあった患者さんでは約4分の1でワクチン接種後にGVHDが 増悪したと報告されています。 これらの確率をどう受け取るかは難しいところですが、活動性のGVHDを 有する患者さんではGVHDが増悪する危険性があることになります。

これらを勘案してもやはり、ワクチンのベネフィットを優先してワクチン 接種を勧めるケースが一般的です。

ただ今回気になるのは、移植に至った原疾患がATLであることです。 ご承知の通りATLは厄介な病気で、GVHDとドナーさんの血球がATLを抑える力という「免疫」の働きが大切と思われています。 ワクチン接種でこのバランスが崩れる可能性があり、主治医の先生はそこを懸念されているのだと思います。 例えばGVHDが悪くなって、免疫抑制剤を増やすことになる可能性があります。 それですぐに治まればよいですが、その後にATLが再発する危険もあり得ます。

あくまで可能性の話になりますが、それぞれのリスクがどの程度あるかは、 移植前の状態や現在のGVHDを知らないと判断できません。 すなわちこの辺は、実際に診療にあたっている主治医の先生の判断がもっとも尊重されるべきです。

一方でCOVID-19に暴露・感染する危険性は、現在おられる環境や活動性によってずいぶん異なると思います。 すなわち感染する危険の高い環境にいるのならワクチンのベネフィットを 優先してワクチンを受ける、そうでもないのならGVHDが悪くなるリスクを優先して接種を延期する、という考え方もあります。

いずれにしても、ワクチンによって得られるベネフィットとリスクを秤にかけて、主治医の先生ともよく相談・納得した上で、最後はご自身で決めていただくのがよいと思われます。

2022.2.22

Q104:1年2ヶ月前に造血幹細胞移植受け、現在毎日免疫抑制剤(ネオーラル)50mg服用しています。1年経ちましたが、今から コロナワクチン接種をしても抗体はできないのでしょうか。
40代・成人T細胞白血病・福岡県

Q.104

1年2ヶ月前に造血幹細胞移植受け、現在毎日免疫抑制剤(ネオーラル)50mg服用しています。 1年経ち、同量のネオーラル服用時に主治医にコロナワクチン接種を打診して断られましたが、今回は不活性化ワクチン接種の許可が下りました。 ただ、接種したところで抗体が出来るのか分からないとも言われました。 オミクロンが身近に迫っているので1回でも接種し、重症化を防ぎたいと思ってますが、打っても抗体もできず意味ないものでしょうか?。最新の免疫抑制剤下でのワクチン接種のデータを教えていただきたいです。

(患者・40代・成人T細胞白血病・福岡県)

A.

造血幹細胞移植後患者へのCOVID-19ワクチンの有効性については、海外から複数の報告が出ています。

どちらかというと免疫抑制剤を内服していない方を中心とした報告ですが、概ね70-80%の方で抗体が陽性化し、感染抑制および重症化抑制の効果があると考えられています。 一方肝臓移植や腎臓移植など、臓器移植後患者での検討では、免疫抑制剤を内服している方が対象となります。

セルセプトなどの代謝拮抗薬を併用している方では抗体陽性化率は低い(40%弱)ものの、カルシニューリン阻害剤の(ネオーラル、プログラフ)のみ内服している方では約60%の方が抗体陽性となっています。 これらはいずれも一般の方での抗体陽性化率(80-90%)と比べると低いですが、決して無効ではないと考えられます。

ここから先のデータはありませんが、さらに3回目のブースト接種まで受けることができれば、抗体陽性化率はさらに上昇すると見込まれます。 ただ一口に抗体陽性化といっても、それがどこまで感染や重症化を抑制するかは個々人で異なり、よく分かっていません。 また造血幹細胞移植の場合、移植片対宿主病(GVHD)を併発していれば免疫の不安定さゆえワクチンの有効性も低下すると見込まれます。 すなわち陽性化率を個々人で正確に予測することは困難です。 COVID-19の現在の流行状況に鑑み、ワクチン接種の副反応というリスクとCOVID-19感染予防というベネフィットを天秤にかけたとき、総合的には接種されることが推奨されます。

2022.2.4

Q103:造血幹細胞移植後10ヶ月経過し、先週まで免疫抑制剤シクロスポリンカプセル1日1錠服用、今週から免疫抑制剤中止になりました。コロナワクチン接種を考えていますが、移植後1年経過すれば免疫抑制剤中止後、間もなくても問題ありませんか。
30代・急性骨髄性白血病・佐賀県

Q.103

造血幹細胞移植後10ヶ月経過し、先週まで免疫抑制剤シクロスポリンカプセル1日1錠服用、今週から免疫抑制剤中止になりました。自宅療養中です。
コロナワクチン接種を考えていますが、移植後1年経過すれば免疫抑制剤中止後、間もなくても問題ありませんか。12月頃仕事(医療従事者です)復帰予定です。
インフルエンザ、肺炎球菌ワクチンは
期間をあけずに打っていって問題ないでしょうか。

(患者・30代・急性骨髄性白血病・佐賀県)

A.

ご質問いただきありがとうございます。
同種造血幹細胞移植後の新型コロナワクチンの接種については、
一般的に不活化ワクチンと同様の接種基準が推奨されています。
つまり、「移植後6~12か月を経過して慢性GVHDの増悪がないこと」となります。
ご質問者さんの場合は医療従事者であるため、 (業務内容次第ですが)
可能なら「復職時点で新型コロナワクチンの2回接種後2週間が経過していること」が望ましいと考えられます。

インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチンはいずれも不活化ワクチンですので、こちらも同様の基準で接種が可能です。
不活化ワクチン同士は一般に1週間程度間を開けて打つのがよいとされています。

新型コロナワクチンと不活化ワクチンの接種間隔については明確な答えが得られていませんが、
現時点では不活化ワクチン同士の場合と同様に1週間程度開けて打つのをおすすめしています。
いずれにせよ復職に向けて、主治医の先生とよくご相談いただき、綿密な接種スケジュールを組んでいただければと思います。

2021.9.27

Q102:今回のコロナワクチン接種では血栓絡みの副反応で亡くなった方がいると聞いています。接種して大丈夫でしょうか。

Q.102

乳がん治療中。アロマターゼ阻害薬を飲み始めて8年目です。副作用で血栓症などがあると知りました。今回のコロナワクチン接種では血栓絡みの副反応で亡くなった方がいると聞いています。接種して大丈夫でしょうか。(がん患者)

A.

がんに罹っていることで、罹っていない人よりも血栓になるリスクが高くなることは知られていますし、乳がんのホルモン療法でもリスクが高くなるというのは、ご理解いただいている通りです。コロナワクチンを接種して血栓を発症し、亡くなっている方もいることから、不安になるかもしれませんが、その確率は極めて低いものです。ベネフィットを考えるとあまり血栓のことを気にしすぎなくてもよいのではないかと思います。

オンライン市民公開講座「コロナ禍における上手な医療のかかり方」Q&Aより
2021.7.18

Q101:コロナワクチンの副反応でリンパ節が腫れる場合、がんの再発につながったりしませんか。

Q.101

12年前に治療を終了して一年に一度定期検診をしています。腋窩リンパ節郭清をしています。コロナワクチンの副反応でリンパ節が腫れる場合、がんの再発につながったりしませんか。(がん患者)

A.

何も病気を持っていない人でも、コロナワクチン接種後に、腋窩リンパ節が腫れることがわかっています。これはあくまでもコロナワクチンの反応によるものであって、再発ではありません。腫れた後、だんだんおさまってくれば、それはコロナワクチンの副反応だったということです。数か月くらい続くこともあるので、紛らわしいとかもしれませんが、どうしても不安であれば、担当医とご相談ください。

オンライン市民公開講座「コロナ禍における上手な医療のかかり方」Q&Aより
2021.7.18

Q100:浮腫のある左大腿部から漏れ出たリンパ液が炎症を起こし赤く腫れています。抗生剤と漢方薬を服用していますが、コロナワクチンの接種は可能ですか。

Q.100

子宮体がん手術直後からリンパ浮腫を発症し9年経ちます。浮腫のある左大腿部から漏れ出たリンパ液が炎症を起こし赤く腫れています。抗生剤と漢方薬を服用していますが、コロナワクチンの接種は可能ですか。炎症を起こしているため、通常より体温は高めです。(がん患者)

A.

今必要な治療をしている患者さんにもコロナワクチンは打てます。使っている薬によってコロナワクチンが打てないということはあまりないと考えてよいと思います。

オンライン市民公開講座「コロナ禍における上手な医療のかかり方」Q&Aより
2021.7.18

Q99:子宮体がんで全摘、リンパ節摘出。下肢リンパ浮腫の症状があります。コロナワクチン接種は可能ですか。

Q.99

子宮体がんで全摘、リンパ節摘出。下肢リンパ浮腫の症状があります。コロナワクチン接種は可能ですか。(がん患者)

A.

足のリンパ浮腫については腕に接種することで問題はないと思います。

オンライン市民公開講座「コロナ禍における上手な医療のかかり方」Q&Aより
2021.7.18

Q98:両側乳がんの手術しており、コロナワクチンは足に打つよう主治医に確認を取っていますが、一般の接種会場でそのような対応をしてもらえるか不安です。

Q.98

両側乳がんの手術しており、コロナワクチンは足に打つよう主治医に確認を取っています。しかし、一般の接種会場でそのような対応をしてもらえるか不安です。もし経験の少ない医療者に対応されるともっと不安です。かかりつけ医で対応していただけるようにはならないのでしょうか。(患者)

A.

太ももの筋肉に接種する方法もあるのですが、一般の接種会場では対応できないと言われる可能性が高いと思います。絶対に腕に接種してはいけないということではないので、腕に打つのであれば、どちら側がベターなのか、担当医と相談しておくのも大切かと思います。かかりつけ医で接種するというのは、多くの場合、難しいように思います。

オンライン市民公開講座「コロナ禍における上手な医療のかかり方」Q&Aより
2021.7.18

Q97:抗がん剤治療中のコロナワクチン接種で気を付けることを教えてもらいたいです。

Q.97

主治医とも相談をして、抗がん剤を始めた1クール目と2クール目の間にコロナワクチンを受ける予定です。抗がん剤治療中のコロナワクチン接種で気を付けることを教えてもらいたいです。(がん患者)

A.

抗がん剤治療中は、ワクチンの効果が減弱する可能性があります。抗がん剤投与後数日間は避けるのが無難です。白血球が最も下がる時期も避けるのがベターです。分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害薬、内服抗がん剤、ホルモン療法ではタイミングはあまり気にしなくてよいと思います。ワクチンの副反応でがん治療に影響が及ぶ可能性もありますので受診予定日前の数日間は避けた方がよいでしょう。担当医とよく相談して早めの接種をお勧めします。

オンライン市民公開講座「コロナ禍における上手な医療のかかり方」Q&Aより
2021.7.18

Q96:抗がん剤治療の間にコロナワクチン接種を入れても大丈夫でしょうか。抗がん剤からどれくらい日数を空けたらよいでしょうか。抗がん剤の種類によって変わりますか。

Q.96

コロナワクチン接種の予約をしたいと思っているのですが、抗がん剤治療の間にコロナワクチン接種を入れても大丈夫でしょうか。抗がん剤からどれくらい日数を空けたらよいでしょうか。抗がん剤の種類によって変わりますか。(がん患者)

A.

抗がん剤では、副作用対策でステロイドを使う場合は、数日空けた方がいいと思います。コロナワクチンの効果が弱まってしまう可能性があるからです。ワクチン接種後の副反応も考えると、抗がん剤投与日の前数日間も避けた方がよいです。しかし、それを考えすぎてどんどん先延ばしにするのではなく、抗がん剤治療中であっても、早めにコロナワクチンを接種することが望ましいと考えています。

オンライン市民公開講座「コロナ禍における上手な医療のかかり方」Q&Aより
2021.7.18

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公開日:2020年5月1日 最終更新日:2022年5月1日