非公開: 一期一会

大阪ボランティアスタッフOです。

遅ればせながら、本年も何卒宜しくお願いいたします。

初めてのブログ、さて何を書こうか迷いましたが、最近の印象に残った出来事を。

お正月休み、東大阪の実家から電気屋さんに買い物に行くため駅のホームで電車を待っていました。すると突然

「お嬢ちゃん、私難波に行きたいんやけど一緒に行ってもらわれへんかな」
と声を掛けられました。難波からはタクシーで老人ホームに帰るとのこと。
腰が曲がり杖をついた上品なお婆ちゃんです。大正生まれだから「お嬢ちゃん」と呼ばれるのも仕方ないかしら(笑)
色々とお話をしていると急に

「おしっこに行きたいねんけど どうしよ」

夕方の人身事故の影響でダイヤが乱れ、いつ電車が来るか全く把握できないません。

トイレにお連れしている間に電車に乗り遅れたら電気屋さん閉店するかもしれないし・・・・

「もうちょっと我慢出来ますか?」
となだめていると電車が来ました。

電車の中では何度も何度も大きな声で同じことを話すし、話の合間には

「おしっこ行きたいねんけど」

何とか難波に到着し急いでトイレの場所を教えてあげると

「一緒に連れてってもらわれへんやろか」

中までお連れし、カバンと杖と切符を預かりドアの外で待ちました。さて、改札を出てタクシー乗り場で別れようとしましたが、

「今からホームに帰ってもご飯が無いかも、一緒に食べてくれへんかな」

この時点ではもう私の手をぎゅっと握って離されません。
ここは丁重にお断りし、お婆さんが和食のお店に入るのを見届けました。
でも、ここで放って帰って良いのかがやっぱり気になる・・・・
杖に書いてあった携帯の番号が私の自宅電話と下4桁同じで覚えていたので
思い切って掛けました。

電話は娘さんに繋がりました。事情を話すと丁重にお礼を言われ、
難波からは一人でも大丈夫とのこと。

何とか電気店へは閉店前に滑り込みセーフ。
夜遅く、さっき話した娘さんから着信があり
「どうしてもお礼がしたいので住所を教えて」と。

数日後百貨店から贈り物とお礼状が送られてきました。
娘さんにお礼の電話をし、いろいろとお話をしました。

「母は私の話をしましたか」
と尋ねられました。
正直に
「いいえ」と答えました。
お婆ちゃんは二人の息子さんの話しかされませんでした。

ちょっと沈黙に....

話していたと言うべきだったのでしょうか。
後で後悔をしました。
多分も私のことはもう覚えていないそうです。
ちょっと寂しくなりました。

もう一度お婆ちゃんに会いたいと思いました。
ぎゅっと握った手のぬくもりが今も忘れられません。

公開日:2012年1月20日 最終更新日:2016年1月22日